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ティモシー・シャラメは新時代のスター? 繊細さと“男らしさ”から逸脱した演技が評価高める理由に

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 ティモシー・シャラメはパーフェクトなビューティフル・ボーイだ。美しいヴィジュアルで親しみやすく、アワード・ルックすら自らスタイリングするセンスの持ち主。そして何より「新時代を象徴する俳優」と喝采される映画スターである。アメリカでは10月に公開した新作『ビューティフル・ボーイ』ではドラッグ中毒に陥る青年を演じ、アカデミー賞レースにかけて早くもハリウッド映画賞の助演男優賞を獲得した。メディアも絶賛状態である。例えば、Los Angeles Timesは、作品自体の欠点は指摘しながらも「シャラメだけで観る価値がある」と太鼓判を押している。『君の名前で僕を呼んで』時点で高い評価を得ていたが、それが偶然ではなかったことが今回で立証されたと言える。さて、ティモシー・シャラメはなぜ「新時代を象徴する俳優」とまで言われるのだろうか。その評価を追ってみよう。

往年のスター男優との違い

 麗しいヴィジュアルと確固たる表現スキルを持つシャラメは、往年のスター男優と比較されることが多い。中でも名が挙がるのはレオナルド・ディカプリオだろう。どちらも若いうちからアカデミー賞にノミネート、薬物中毒者の役を評価され、ファッション面の注目も大きく、巨大なファンベースを形成していた。そうした共通点からか『君の名前で僕を呼んで』プロデューサーのロドリゴ・テイシェイラも、『レディ・バード』監督であるグレタ・ガーウィグも「シャラメはディカプリオを思い出す存在」とコメントしたことがある。ただし、そうした比較に対して『君の名前で僕を呼んで』を監督したルカ・グァダニーノが「シャラメはシャラメだ」と語ったように、先陣たちとは異なる先進的なイメージを持っている。

『ビューティフル・ボーイ』(c)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

 ティモシー・シャラメが「新時代を象徴する男優」とされる一因には、彼が「旧来の男らしさからの逸脱」を想起させる存在であることが大きい。彼の演技への評価で頻出されるワードは「繊細」「脆弱性」「エモーショナル」といったもの。つまり、いわゆるマッチョなイメージからは離れている。シャラメ自身も「男性が繊細であること」を肯定する表現者であり、その意識を映画で伝えることを目標に掲げている。こうした姿勢は時流にも一致するものだ。ハリウッドは元々アルファ・メールなスター男優を好んできたが、今現在は「男性とは何か」を問うコース・シフト期に突入したと言われている。その荒波の中、繊細さを尊重するシャラメは、新たなるハリウッドの男性像ーーまたは理想像ーーを代表するアイコンとなったのである。彼が「#MeToo時代の男性スター」と評される理由もここにある。例えば、Vultureでは「今の時代を先導する男性とはシャラメのような敏感で思いやりのある人だ」「彼のような柔らかな男優が報われる時代になった」といったショービズ専門家たちの意見が紹介されている。フランク・オーシャンは『君の名前で僕を呼んで』でシャラメが演じたエリオを「弱さも見せた特別な役」と評し、それがポップカルチャーの時流としても最適なタイミングだったと語った。オーシャンの賛辞は「新時代の男性スター」としてのシャラメを見事に捉えてていたと言えるだろう。もちろん、こうした「新時代」としてのアイコン評価は、シャラメの卓越した表現あってのものだ。

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