千葉雄大本人にも重なる主人公・新見の姿 『プリティが多すぎる』が描くリアルタイムの“Kawaii”

『プリティが多すぎる』原作とは違う見どころ

 努力して、結果も出してきたつもりなのに。なぜ自分がこんな目に……?

 会社員なら納得できない人事異動も受け入れなければならない。それがいやなら会社を辞めるしかないーー。

 大手総合出版社に勤務する千葉雄大演じるエリート編集者の新見佳孝が、文芸編集部から原宿系ファッション誌の編集部へ異動を命じられることからスタートした『プリティが多すぎる』(日本テレビ)。異世界に放り込まれ、毎日周囲で数えきれないほど連呼される「かわいい!」の定義がまるでわからない新見が、少しずつ“かわいい”を理解し、編集者として成長していく姿を描く。

 新見は大御所作家の巽信次郎(麿赤児)を担当し、ヒットを飛ばしてきた。同期の近松(中尾明慶)に副編集長に昇格する予定はあるのかと訊かれ、まんざらでもなさそうだった新見。しかし、編集長の柏崎(杉本哲太)から告げられたのは急転直下の人事異動だった。

 新見の新たな配属先はこれまでと全く畑の違うファッション誌。しかも、新見とは明らかに縁遠い原宿系ファッションの専門誌『Pipin』だった。Pipin編集部は本社から離れた原宿にあり、ほとんど契約社員と外部のスタッフでまわっている。文芸の新見とは接点もなく、はっきり言って眼中にもなかった。

 Pipinは編集長の三田村(堀内敬子)以下女性ばかりの編集部で、着任早々に『ごんぎつね』の著者・新美南吉と同じ苗字という理由で新見は一方的に「南吉くん」と命名される。部員たちはカラフルな雑貨があふれる編集部で最高の“かわいい”を追い求めて議論していて、南吉は「くだらない」とつい本音を漏らしてしまう。そんな南吉に利緒(佐津川愛美)は「大丈夫なんですか、社員さん? ここに来た以上は“かわいい”は私たちの仕事の基本ですから」ときつく釘を刺す。

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