“昔の人”役だけじゃない 関西ジャニーズJr. 西畑大吾、今どき大学生も好演するマルチな演技力

 そして2年後の2016年には『あさが来た』(NHK総合)で2度目の連続テレビ小説出演を果たす。演じたのは、宮崎あおい演じるはつの次男・養之助。いがぐり坊主頭に太い眉毛、純粋さが溢れる眼差しなど、現代人っぽくない雰囲気がドラマにピッタリだと、多くの称賛の声を集めた。それ以降も着実に出演作品を増やしていき、昨今では映画『PとJK』や『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』に抜擢。

 『PとJK』では、ヒロイン・本谷歌子(土屋太鳳)の友人・永倉二郎役を務めた。2作とも時代劇だった連続テレビ小説とは打って変わった男子高校生役。友人数人とたむろしているシーンは、まさに高校生の日常を垣間見ているようで、連続テレビ小説でついた“昔の人の演技がうまい”というイメージを一新したのではないかと思う。

 そして、『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』では1930年代の若き料理人・鎌田正太郎役を好演。男子高校生役から一転、連続テレビ小説時代のビジュアルに近い役柄で、丸刈りと太い眉毛が特徴的だった。やはり西畑は時代ものの役が十八番なのだろうか。この時代独特の控えめながらも一本筋の通った人物像を表現するのが見事であった。

 こう振り返ってみると、西畑の演技は、作品の時代が変わってもブレることがない。その強みを活かし、『僕らは奇跡でできている』で演じるのは今どきの男子大学生。10月16日に放送された第2話では、新庄は授業を聞かずに寝ていたり、蛇に必要以上に怯えたり、ダルそうにフィールドワークをこなしたりとマイペース。また、普段の関西弁も封印して、標準語で話すのも新鮮に映る。作品のどんな時代にも自由自在に溶け込むだけでなく、物語の世界像にあったキャラクターを演じるのが西畑の演技スタイルのよう。西畑演じる新庄が、フォーカスされる放送回を心待ちにしたい。

(文=高橋梓)

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