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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

公開14週目にして再びランクアップ 『カメラを止めるな!』の奇跡を総括する

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 先週末の映画動員ランキングは『プーと大人になった僕』が土日2日間で動員18万5000人、興収2億5600万円をあげて2週連続1位。続く2位に初登場したのは、塚原あゆ子監督、有村架純主演の『コーヒーが冷めないうちに』。土日2日間は動員15万6000人、興収2億300万円。金曜日の初日から3連休を含む4日間の累計では動員29万5000人、興収3億7400万円を記録。連休が終わった火曜日以降は、『コーヒーが冷めないうちに』が『プーと大人になった僕』を上回る数字を好調に積み上げていて、年配層や女性層を中心とする幅広い層から支持を得ていることがわかる。

 『スカイスクレイパー』(初登場8位)、『食べる女』(ランク外)と、『コーヒーが冷めないうちに』以外の中〜大規模のスクリーン数で公開された初登場作品の興行成績が振るわない中、公開14週目にして再び7位にランクアップした『カメラを止めるな!』。本作品についてはこれまであらゆる場所で語り尽くされていて、とりわけその「奇跡」と言うしかない興行的大成功についてはどこでも必ず触れられてきているが、トップ10のランク外となる前に(と思っていたところ、先週末にはまさかのランクアップを果たしたわけだが)本稿でも取り上げておく必要があるだろう。

 『カメラを止めるな!』が初めて公開されたのは昨年の11月の新宿K’s cinema(6日間限定公開)。その初公開時に広く評判を集めたことで、同じく新宿K’s cinemaと池袋シネマ・ロサの2館での通常公開がスタートしたのが今年の6月23日のこと。以来、度重なる拡大公開を経て、通常公開から14週目となる先週末の時点で累計動員166万人、累計興収23億円を記録している。初めて動員ランキングのトップ10に入ったのは公開7週目の10位(8月第1週)。その翌週に一度ランク外(11位)となった後、8位→6位(現時点での最高位)→6位(最高位タイ)→6位(最高位タイ)→8位という推移を経て、先週末の7位で6週連続でトップ10にランクインしたことになる。現時点でも公開時の館数の100倍を超える全国200スクリーン以上で公開されていて、興収25億円以上は確実。最終的には累計動員で200万人、さらには累計興収で30億円の大台を超える可能性も十分にある。

 仮に興収30億円に届くようなことがあれば、おそらく年間興収でも20位以内に入ることになる(現時点でもちょうど20位につけている)。また、スタッフやキャストのギャランティのことを考えると製作費300万円という数字をどのようにとらえるべきかは意見が分かれるところだが、実に製作費の1000倍の興行収入を稼ぎ出すことにもなる。さらに、各国の映画祭への出品のほか、既に韓国では一般公開が始まっていて、今後も台湾、タイ、香港での公開が決定している。これまでにブラジル、カナダ、アメリカなどの映画祭でも賞を受賞していることをふまえると、公開国は今後もさらに増えていくはずだ。

      

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