「クズ男、最高」の声も 『サバイバル・ウェディング』風間俊介はジャニーズの新しい道を切り拓く

 そんな“危うい”演技が魅力だった風間だが、最近では好青年を演じることも多くなってきた。『下剋上受験』(TBS系)の好青年・楢崎哲也役、『陸王』(TBS系)の熱血銀行マン・坂本太郎役、大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)の福井藩医・橋本左内役……。これまでにない爽やかさを出してみたり、時に熱のこもった力強い演技を見せてくれたり、幅広い役をこなす俳優となってきているのである。

 2018年10月期の連ドラ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)で演じた主人公の元彼・石橋和也役でも、さらに演技スキルを伸ばしたと感じる。和也は一言で言うと清々しいほどの「クズ男」。主人公・さやかと婚約したにもかかわらず浮気をし、指摘されて逆ギレ。さやかがすでに寿退社してしまったにもかかわらず婚約破棄をする、という目も当てられない男だ。しかし第7話で、和也は「さやかの理想を演じなければいけないと必死だった」という心の内を話す。そして、さやかとスッパリ笑顔で別れたのである。第7話まできちんと「ムカつく男」を演じたことで、第7話の潔さと切なさが非常に際立っていた。メリハリをつけることで役に深みが増したように感じ、流石と言わざるを得なかった。実際SNSでは、「風間のクズ男、最高」という声が多々挙がっていたほどである。

 こうして俳優としてのキャリアを順調に重ねている一方、昨今ではバラエティ番組にも度々出演し、活躍の場を広めている風間。『ZIP!』の出演で、演技力だけでなくトーク力やバラエティ力も広げていくのではないだろうか。彼が切り拓く、ジャニーズタレントの新しい道に注目していきたい。

(文=高橋梓)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる