風間俊介、『陸王』に続く“名参謀”ぶりに絶賛の声 『西郷どん』橋本左内役で物語のキーマンに
舞台を薩摩から江戸へと移し、新たな章に入った『西郷どん』(NHK総合)。第9回より雰囲気もガラッと変わり、華やかな新キャラクターが続々と登場している。薩摩藩の厳しい財政難のしわ寄せから身売りされたふき(高梨臨)がよしと名を変え、吉之助(鈴木亮平)の前に現れる。品川宿の磯田屋にて、ふきを贔屓にするのが“ヒー様”こと、後に徳川家第15第将軍となる一橋慶喜(松田翔太)。第10回「篤姫はどこへ」では、将軍家に輿入れすることになった篤姫(北川景子)の教育係として、薩摩言葉に厳格な幾島(南野陽子)、篤姫の夫となる徳川家定(又吉直樹)と、重要人物が登場。さらに、磯田屋で吉之助が出会う人物がもう一人。それが、越前から来た蘭方医こと、越前福井藩の藩医・橋本左内(風間俊介)だ。
左内にとって、藩医は表の顔であり江戸にやって来たのは慶喜の密偵が目的だった。お庭方から篤姫付の用人、つまり斉彬(渡辺謙)付きの密偵に任命された吉之助を、左内は同じ立場であると勘ぐり、主からの書状を斉彬に渡したいと申し出る。その内容とは、慶喜を次の将軍としようとしている“例の企て”を指すものだった。左内は吉之助が全てを把握しているものとして話すが、江戸に出てきたばかりの吉之助にとっては、まるで雲の上の出来事。「一橋様が次の将軍に!」と大声で話す吉之助。質問攻めの末に、じりじりと近づいてくる吉之助に左内は苦笑いで顔を近づけ、「お答えしますから下がってください」と軽くあしらう。密偵として聡明かつ冷静沈着な左内に対し、まだ無知ではあるが行動力に長けた吉之助との対比が現れたシーンだ。
親藩、外様を問わず有力な諸藩が力を合わせ様々な意見を出し合い、政を進めていく「衆議一致」で、斉彬が幕府の仕組みを根本から変えようとしていることを左内は説明する。また、家定の身体が丈夫ではないために、慶喜を次の将軍に推し進めているのではと吉之助に共有。しかし、吉之助はただ一方的に話を聞くばかり。吉之助が江戸に来たばかりだと知った左内は、「やれやれ……僕はひどく大きな勘違いをしていたようだ」と驚いた顔で口走る。吉之助の前では、こう口にしても理解されまいと皮肉を込めて口にしたセリフだろう。