『ばけばけ』は妊娠・出産をどう描く? 『マッサン』『虎に翼』など近年の朝ドラと比較

『ばけばけ』は妊娠・出産をどう描く?

 早いもので最終回まで残り1カ月を切ったNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。2月23日から2月27日に放送された第21週のラストでは、ヒロインのトキ(髙石あかり)が原因不明の眠気に襲われ、視聴者からは「懐妊では?」という声が上がった。実際にモデルとなった小泉セツは熊本転居から2年後に長男を出産しており、その可能性はかなり高いと言えるだろう。

 多くの場合、「女性の一代記」である朝ドラにおいて、結婚や妊娠・出産は大きなトピックとして描かれてきた。特に妊娠・出産は女性にとって人生の転換期であり、それは今も昔も変わらない。妊娠した瞬間から身体は自分1人だけのものではなくなり、様々な制限がかかる。出産を終えても以前と変わらぬ生活に戻れるわけではなく、次に待ち受けているのは怒涛の子育てだ。

 ゆえにやりたいことや夢を追いかけるヒロインにとっては、妊娠や出産がある種の“枷”になることも。例えば、『エール』(2020年度前期)の音(二階堂ふみ)は夢が叶うあと1歩手前で妊娠が発覚。オペラの舞台で主役の座を射止めるも、つわりで体調が優れずに降板を余儀なくされた。つわりの有無や重さは個人差が大きく、その時になってみないと分からないもの。『おむすび』(2024年度後期)の結(橋本環奈)は、つわりが重症化する重症妊娠悪阻で脱水症状となり、入院に。仕事を休まざるを得なくなるが、そこでの経験をきっかけに結は病院の管理栄養士を目指すことになる。

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 『虎に翼』(2024年度前期)の寅子(伊藤沙莉)は女性法曹の道を切り開いていこうとする最中に妊娠。同じ道を目指して志半ばで去っていった仲間の分も出産ギリギリまで働こうとしていたが、無理が祟り、ついには倒れてしまった。さらにはこれまで自分を導いてきた恩師に引導を渡され、心が折れた寅子は一線から退くことに。だが、そこで終わりではなく、音も寅子も後に再び元いた世界に戻って自分の生き方を模索することとなる。

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 『なつぞら』(2019年度前期)のなつ(広瀬すず)のように、自らの手で出産後も仕事を続ける権利を勝ち取ったヒロインもいる。なつが妊娠した昭和40年代はまだ「女性は子どもが生まれたら仕事をやめて、育児に専念する」という価値観が根強く、同僚のアニメーターは社長から産後は契約社員として働くように言われたことをきっかけに退職。そんな中で、なつは仲間を引き連れて社長に直談判し、出産後も正社員雇用を継続する約束を取り付けるのだ。

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