原田知世が振り返る、『半分、青い。』和子役へのアプローチ 「新しい扉を開けたような感覚」
和子さんを演じることは、新しい扉を開けるような感覚でした
ーー律を演じる佐藤さんとのシーンで最も印象的だったのは?
原田:岐阜犬を通して律と話すシーンです。セットの関係で、自宅にいる和子さんを先に撮影し、後日、センキチカフェにいる律の芝居を別撮りする予定でした。でも、大事なシーンなので、と健さんが深夜まで残って私のお芝居に付き合ってくださったんです。本番と同じテンションで芝居していただいた健さんに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。あのシーンで、律が和子さんに言った「おかあさん」という声が、今でも深く心に残っています。
ーー一方、最後まで和子を支え続けたのが夫の弥一さんです。初登場シーンから2人が並び立つ萩尾家の雰囲気がとても素敵でした。
原田:弥一さんがいたから和子さんが成立したと思います。萩尾写真館の紹介シーンはとても印象に残っています。写真館の中で2人で並んで「いらっしゃいませ」と一言だけ言う短いシーンでした。隣に立つ弥一さんの声とたたずまいがとてもやわらかく穏やかで、その1カットだけで萩尾家や夫婦の空気感が見えた気がしました。谷原さんと共演するのは本作が2作目になるのですが、本当に素敵な方で、谷原さんがいらしてくれたおかげで現場でもいつも安心することができました。
ーー病気が進んで行く和子さんを演じられる上で、最も意識した点は?
原田:和子さんは物語の中で、ずっと明るい雰囲気をまとったキャラクターでした。朝の15分という時間の中で、泣かされる部分もあれば最後にクスッとなれる、温かい気持ちになってもらえたらという思いで演じてきました。後半は和子さんらしさを残しつつも、少しずつ身体が弱っていく感じを加えて、そのさじ加減を監督と相談しながら最後のシーンは演じていきました。北川さんが作ってくださった和子さんを演じることは、新しい扉を開けるような感覚でした。一つハードルを超えたような気がしています。
(取材・文=石井達也)
■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/奈緒、矢本悠馬、石橋静河、余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/清野菜名、志尊淳、山崎莉里那
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/