『チア☆ダン』土屋太鳳とオダギリジョーが“過去”と和解 ひときわ輝きを放つ堀田真由にも注目

『チアダン』堀田真由に注目

 チアリーダー部がRocketsに向ける仕打ちへの苛立ちと同時に、入学以来の親友との仲違いに「後悔している」と語るわかば。そして彼女は、雨で中止になったチアリーダー部の発表のために、チアダンス部が獲得した発表の時間を提供するのだ。部室を壊されたり後輩を怪我させられたり、一度はわかば自身がチアリーダー部の部室に乗り込んでいく一幕もありながらも、後悔するくらいなら自ら前に進むという決断。それはつまり、赦し、称え合うということに他ならない。

 それと同様に太郎(オダギリジョー)は、前任の学校で熱血指導をしたことで心を閉ざし、学校をやめてしまった教え子・木田(岐州匠)と東京で再会を果たす。これまで回想シーンとして度々登場していた通り、その木田との関係性がきっかけとなり、太郎は心を病んで教師としての職を一時的に退いていたのだ。「あの時ちゃんと向き合って話せばよかった」と後悔し続けていた太郎は、木田に当時のことを謝罪する。すると思いの外あっさりと、社会に出て大人になった木田は太郎に赦しを与えるのだ。

 部長としてRocketsを引っ張っていくわかばと、顧問として引っ張っていく太郎。この2人が悩み、抱え続けてきた“過去”と和解を果たすことでさらにRocketsのチアスピリットは磨き上げられていく予感がする。しかも、このシンクロニシティは2人だけではない。太郎が東京からコーチとして連れてきたわかばの姉・あおい(新木優子)も、東京に旅立つ時の両親との気まずい空気から一転し、藤谷家4人揃った団欒のシーンが描かれたことも見逃せない。

 それにしても、今回のエピソードでひときわ輝きを放っていた、望役の堀田真由。個人的には本作のキャストの中でイチ押しなだけに熱を入れて語りたいところではあったのだけれど、彼女については詳しい記事が先に掲載されていたのでこちらを参照するのがいいだろう。とりわけ物語の舞台となる福井県の隣県である滋賀県出身の彼女が発する福井弁のしっくりくる感じは凄まじく、それでいてプライドが高くトゲのある性格というのも実に良い。先日の映画『虹色デイズ』での“ゆきりん”役とはまったく異なる魅力を放ってくれている。

20180811-cheerdan05-02
20180811-cheerdan05-07
previous arrow
next arrow
20180811-cheerdan05-02
20180811-cheerdan05-07
previous arrow
next arrow

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『チア☆ダン』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜放送
出演:土屋太鳳、石井杏奈、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良、オダギリジョー、佐生雪、溝口恵、福地桃子、堀田真由、伊原六花、足立佳奈、石崎なつみ、坂ノ上茜、守屋ことり、八木莉可子、阿川佐和子、木下ほうか、高橋和也、紺野まひる、松本若菜、本多力、森矢カンナ、木原勝利、広瀬すず、新木優子
原作:映画『チア☆ダン』製作委員会
脚本:後藤法子、徳尾浩司
プロデューサー:韓哲
協力プロデューサー:高山暢比古
演出:福田亮介、金子文紀
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/cheerdan_tbs/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる