“ドラえもん”から離れた律、“しずかちゃん”になれなかった鈴愛 『半分、青い。』2人に訪れた別れ

『半分、青い。』鈴愛と律に訪れた別れ

 フられた後の鈴愛に向かって秋風はこう言う。「描け。泣いてないで、いや、泣いてもいいから描け。漫画にしてみろ。物語にしてみろ。楽になる。救われるぞ」、「物語を作ることは自身を救うんだ」。フィクションを作ることは、単にその中の登場人物に自分自身を仮託して追体験するだけではない。今の自分の状況を俯瞰できるようになって、見落としていたものに気づけるようになる。そういう知的な営みであるということを誰よりも知っている秋風ならではの言葉だ。

 とはいえ、これでもう一生2人が結ばれることはないと決めつけるのは、ひょっとしたら早計かもしれない。正人がはじめから、律が最も愛するべき存在は鈴愛であるということを指摘していたように、律もまた鈴愛と同様に何かを見失っている可能性もある。自分に向き合うべきは実は律も同じだったりして……。今後、2人がどのような恋に直面していくのかとともに、2人の中で思いがどう移ろいでいくのかに刮目したい。

(文=國重駿平)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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