長澤まさみがマリリン・モンローに? 『コンフィデンスマンJP』第4話は“映画ネタ”満載

『コンフィデンスマンJP』第4話で映画ネタ

 しかしダー子が中国の新進女優マギー・リンという架空の人物に扮するなど、粘ったかいもあり、3億円出資するという話になるが、彼の条件は脚本への口出しに始まり、自分の納得できる作品にしたいというものであった。そうして撮影現場でも演出への口出しから、さらには「カット」という声まで上げ、しまいには自分のことを俳優として出演させろとまで言ってのける。相当に傲慢な人物であるが、やはりなかなか憎めない……。

 そんな俵屋を演じたゲスト俳優が、佐野史郎であった。佐野といえば、現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』(NHK)では井伊直弼役、さらに、公開が始まったばかりの『となりの怪物くん』では主人公の問題児・吉田春(菅田将暉)の父で、政治家の泰造を演じている。いずれも冷たい表情に重い口調が印象的な“大物”役であるだけに、この俵屋役でのハジけっぷりは爽快であった。

 俵屋は、完成した映画の完成試写会で、これまで自分が騙されていたことを知り、産地偽装の問題も公になってしまう。彼は出資額の3億円に加えて会社の信用と引き換えに、大好きな映画の甘い夢を見ていたのだ。「映画界には詐欺師が多い」と、ウソかホントか、口にしていたダー子。映画好きが高じてこのような目に遭わないように(もちろん産地偽装とパワハラはダメ!)、映画ファン諸氏には注意を呼びかけたい。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『コンフィデンスマンJP』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:長澤まさみ、東出昌大、小日向文世ほか
脚本:古沢良太
企画:成河広明
プロデュース:草ヶ谷大輔、古郡真也
演出:田中亮、金井紘、三橋利行
制作・著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/confidenceman_jp/index.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる