竜星涼はなぜ怪しく見えるのか? 視聴者を惑わす『アンナチュラル』木林役の深すぎる沼
普段は、異次元からフッと舞い降りた存在のようにも思える木林だが、第5話で、担当していた葬儀の棺から遺体が盗まれていることに気付くと、血相を変えてUDIラボへと急行し「あぁ~それ、うちのご遺体ですぅ」と嘆く、人間味溢れる一面を披露。かと思えば、第6話では、操縦士に心停止の危険が迫る飛行機を抑止するため、ミコトと東海林(市川実日子)を乗せた車で暴走。ミコトに「(飛行機に)近づけますか?」と問われると、「善処します」と口角を上げたままアクセル全開でフェンスも突破する破天荒ぶり。やはり、その本性は謎である。
謎が多いというのは、必然的にこちらに発想の余地を与えてくれるということ。そして木林は、その余地がとてつもなく広く、視聴者の想像力を激しくかき立てる。“赤い金魚”の犯人はビル火災唯一の生存者・高瀬(尾上寛之)と明らかになったが、まだまだ「実は木林が絡んでいるのでは?」と予想する声も多く、つかみ所のない木林の謎は深まるばかり。それと同時に、彼の深すぎる沼にのめり込んでしまう視聴者も多いようだ。
ちなみに『アンナチュラル』では黒いスーツを身に纏っている竜星だが、現在配信中のAmazonプライム・ビデオ『紺田照の合法レシピ』では、真っ白の学ラン姿で、ときには高校生、ときには暴力団の新人組員、ときには料理人として木林とは全く異なる演技を見せている。
“竜星涼”と聞いて抱くイメージは本当に人それぞれで、清々しい青年役からアウトローな役柄まで幅広い。木林という役どころでより確かなモノとなった、作品に自在に溶け込む竜星の仕事ぶりは、さながら魔術師のよう。そしてそれは、今後竜星が役者として歩みを進める中で、大きな強みとなることは間違いないだろう。
■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。
■放送情報
金曜ドラマ『アンナチュラル』
TBS系にて、毎週金曜22:00~放送
出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海(超特急)、飯尾和樹(ずん)、北村有起哉、大倉孝二、薬師丸ひろ子(特別出演)、松重豊ほか
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:新井順子(ドリマックス・テレビジョン)、植田博樹
演出:塚原あゆ子(ドリマックス・テレビジョン)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/unnatural2018/