新木優子らのマウンティング合戦に注目! 『ラブラブエイリアン2』が描く“女と女のバトル”

『ラブラブエイリアン2』の魅力とは?

 2016年夏、ド深夜枠で全12回放送された『ラブラブエイリアン』(フジテレビ系)は、宇宙船の故障により家に不時着した、手のひらサイズの宇宙人2人と暮らすことになった、家主の園美(新木優子)ら独身女性たちの日常を描く連続ドラマ。その第2シリーズとなる『ラブラブエイリアン2』が、現在4話までオンエア済みだ。前シリーズの最終回では「さよなら、宇宙人」と題し、園美たちから涙ながらに見送られた宇宙人たちが、1年後に「再会を喜ぶに違いない」としれっと戻ってくるところから物語がスタートする。が、園美の家では相変わらずトラブルが発生し、「地球のみなさん…」と声をかけるも気づかれない宇宙人がさっそく不憫でかわいい。

(c)フジテレビ
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 前回との違いは、前シリーズで園美の同居人だった由日子(森絵梨佳)が海外に引っ越したため、その友人であるミコト(野崎萌香)が新住人として登場していること。2人とも職業がスタイリストで、口が悪い性格という設定なので、物語における役割はほぼ一緒。このキャストチェンジは、森絵梨佳の第一子出産によるものだろう。また、園美の職場の後輩だというスミレ(八木アリサ)が5人目の主要キャラとして加わった。放送を4回終えての印象は、主人公である園美の出番が激減していること。おそらく新木優子のスケジュールが前シリーズ撮影時よりハードになっているため、キャラクターを増やし、エピソードごとに主人公を分散したのだろう。その結果、前シリーズの「女性4人と宇宙人(対男という生き物)」という構造から、様々な女性の恋愛や人生模様に解像度高くフォーカスを当てるものへと変化した。

 前シリーズで、宇宙人と地球人の差異が生む笑いはすでに出来上がっている。宇宙人の能力を使い、園美たちが男の本音や実態を知るエピソードも、前シリーズで多数登場した。今回の新たな見どころはというと、女と女のバトルだろう。

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 例えば、「上品てどういう事?」(第2回)では、サツキ(太田莉菜)とチズル(久松郁実)とミコトがカフェでお茶をしていると、サツキの友人・中谷(大塚千弘)が偶然現れテーブルを囲むことに。早速、職業や配偶者の有無を質問してマウンティング攻撃を始める中谷。「自分には価値があるからそれにふさわしいエリートを選ばなければいけない」「性別問わず、付き合う相手は学歴や年収、職業が大事」という古臭い価値観をてらいなく言葉にし、高そうな結婚指輪を自慢する中谷。彼女にミコトが口汚く反論してカフェの空気が凍るたびに、宇宙人が中谷の時間を止めて、サツキとチズルがミコトをなだめる。そこでの「この人は自分で価値を作れないから、学歴や年収に縛られるの。若いときは女の価値、結婚したら夫の価値、そのあとは子供の価値で争っているの」というサツキの言葉の切れ味の良さ! その陰口を自らは相手に伝えず、実はミコトに代弁させてスカッとしていたというサツキの陰湿さにはリアリティがある。

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 「ビッチなサユリちゃん」(第4回)では、スミレの高校時代の友人・サユリ(佐藤玲)が園美の家にやってくる。球種は違えど、「モテ」や「若さ」を武器に、スミレだけでなく園美たちにもマウントをしかけてくるのは中谷と同様だ。彼女曰く、「本命は高学歴で、セフレは顔や、身体の相性で、複数キープしている」「モテるっていうか、むこうからくるからしょうがないんです」「ゴムをつけるセックスは浮気に入らないと思うんですよね」「うちらより上の世代って考え方が古いからこういうのわかんないかもですね! アハハハハ!」「スミレちゃん、こんなダサい人とつるんでたら自分までしょぼくなるよ! 一生処女のままでいいの?」と言われたところで、ミコトが「このビッチーーー!」と激怒して、宇宙人が時間を一時停止。自由奔放を気取っているサユリもまた、男との経験値を自信の拠り所にしているあたり、結婚相手や子供の価値で自分を補強する中谷と同類なのだ。

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