松山ケンイチの思いやりもカギに 『となかぞ』深田恭子から学ぶ“嫉妬心の乗り越え方”

『となかぞ』から学ぶ嫉妬の乗り越え方

「できない」から「してない」へ

 しかし、“リセット”に落ち込む暇もなく、奈々へ次なる試練が。大器の妹・琴音(伊藤沙莉)が破水をしてしまい、家族の誰とも連絡が取れないため、奈々は出産に1人で立ち会うことになったのだ。

 第3話で、「みんなが喜んで、幸せそうにしてるのに、わたしだけ喜べなくて……そんな自分がすごく嫌だった」と琴音に対して嫉妬を抱えてしまい、罪悪感を感じていた奈々。しかも”リセット”直後というタイミングで、他人の子供の誕生を見守るなんて複雑な気持ちにならざるをえない。

 大器は立ち会い後、「きつかったろ……」と奈々を心配するが、意外なことに彼女は「むしろよかった」と答えるのだ。「必要以上にうらやましいって思うのはやめた」「うらやましがったところで、うちに赤ちゃんが来るわけじゃないもんね」。奈々のこの言葉は、不妊治療を行っている人以外にも、響いたことだろう。自分の中の“達成していない目標”に対して、誰かに嫉妬心を燃やしたところで何も生まれない。

 「私は妊娠できないわけじゃない。まだ妊娠していないだけ」と奈々が言うとおり、「できない」を「してない」に変えるだけでも嫉妬心は軽くなる。また、不妊治療について徹底的に調べ上げた大器の協力的な姿勢と奈々への思いやりも、嫉妬を乗り越えられたカギなのだろう。

 不妊治療も夫婦の中もステップアップした五十嵐夫妻だが、コーポラティブハウスにも進展が。子供を欲しがらないカップル川村亮司(平山浩行)の前妻との息子・亮太(和田庵)が、突然引っ越してきた。毎回仕掛けがあるタイトルバックにも今回から亮太が登場しており、子供が暮らせそうなデザインではない亮司&杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)の部屋が、次回以降どのように変化していくかにも注目だ。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/

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