慶介(亀梨和也)と百々瀬(藤木直人)は似ている? 『FINAL CUT』直接対決の行方

『FINAL CUT』直接対決の行方

「メディアは、私の表現媒体である」。

 2月6日に放送された『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)の第5話「疑惑を真実にした男 人気司会者の正体!」。12年前にメディアに母・恭子(裕木奈江)を女児殺害事件の犯人扱いされ、無実の罪で亡くした男・中村慶介(亀梨和也)は、母を死に追いやった番組関係者に次々と、公開されると人生が終わる映像“ファイナルカット”を突きつけていた。そんな中で、当時、恭子を犯人だと断じたのが、ワイドショー番組『ザ・プレミアワイド』人気司会者の百々瀬塁(藤木直人)であることを知った慶介は、彼の行動や経歴を洗い始める。

 第5話では、ついに慶介と百々瀬の直接対決が繰り広げられた。第1話から、自身の冠番組『ザ・プレミアワイド』に、異常なまでの情熱とプライドを見せていた百々瀬。番組のプロデューサー井出正弥(杉本哲太)が、取材者に対して事実と異なる内容に編集し放送したことを謝罪したと会議で報告すると、百々瀬は「その程度のものをよこしたのか? この俺に」と激怒し、井出の自尊心の象徴である“放送協会賞 奨励賞”のトロフィーを何度もテーブルに打ちつけ、ぶち壊す。そして、まるで舞台の上であるかのように、芝居がかった口調で「さぁ、てぇへんだ! てぇへんだ!」と瓦版屋の真似をし始めるのだった。(ちなみに、百々瀬は学生時代に劇団に所属しており、演劇をやっていたという。)その姿は、狂気そのもの。百々瀬は、『ザ・プレミアワイド』の“顔”にして、絶対の権力を持つ男。周りのスタッフが表では萎縮し、裏では「ハッキリ言ってサイコパス」「スーパー二重人格」と陰口を叩くほどの異彩を放つ、独裁者なのだ。

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 チェインストーリーの中で、『ザ・プレミアワイド』のディレクター・小池(林遣都)は、百々瀬のことを「何もかも完璧すぎて人間味ない」「ミスターメディア、ミスタープレミアワイド」と口にし、カメラマン・皆川(やついいちろう)もまた、「確固たる信念と絶対的存在感」がある人と評している。さらに皆川は、百々瀬が『ザ・プレミアワイド』の司会に抜擢される前から今日までを振り返ってもいた。百々瀬は、ハードニュース寄りだった『ザ・プレミアワイド』を、お茶の間の主婦が喜びそうな柔らかいネタ重視の番組に変えたという。その改変により視聴者も付き始め、同時に、時代は高度なネタをエンタメで見せるワイドショーの流れになったのだとか。皆川は「(先を)読めてたんだろうな~百々瀬は」と呟く。

 そう、百々瀬は一筋縄ではいかない強敵だ。今回もまた、“ファイナルカット”を突きつけた慶介の先を読み、いともたやすく問題を消し去る。思えば、井出が「例の信用金庫、やはり、取材続行ということで、どうでしょうか?」と2度目の相談を持ちかけた時、百々瀬はすぐに異変に気付き、「何だ? 何があった?」と裏で何かが起きていることを想定していた。そして、井出が慶介に脅されていると知れば、不敵な笑みを浮かべ「面白いじゃないか」と全く動じない。むしろ、「君の特集なら、いくらでも組むよ」「親子揃って、うちに貢献してくれるってわけか」と“食われる前に食う”宣言までしていたのだ。

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