子役・柿原りんかの名演が生んだ、鈴木亮平による涙の咆哮 『西郷どん』青春薩摩編へ突入
大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)が、1月14日放送の第2回「立派なお侍」より青春薩摩編に突入した。第1回では、西郷隆盛の幼少期・小吉(渡邉蒼)にスポットが当てられたが、今週はその6年後、18歳となった小吉が元服して名を吉之助(鈴木亮平)と改め、年貢の徴収を行う役人の補佐役・郡方書役助につくこととなる。第2回からの見どころは、本ドラマの主演である鈴木亮平がその堂々とした“西郷どん”としての演技を発揮し始めることである。他にも、大久保正助(瑛太)、岩山糸(黒木華)など、メインキャストが脇を固める本ドラマ。第2回の放送終盤、農民の娘・ふき(柿原りんか)が、取り立てに連れ去られていく場面での、柿原と鈴木のすぐれた演技が光る回であった。
吉之助とふきのシーンは、放送前から注目を集めていた。『西郷どん』の公式ホームページのあらすじには、鈴木による「西郷どんの目線」という短いコラムがある。そこには、「ふきちゃんの名演技!吉之助として、強烈に心が動かされました。だからこそ吉之助は、ひたすら懸命に、走る、走る、走る……!」とあり、鈴木は自身のブログにも「今週の主役は僕たちではないと思っております」「彼女の存在感と胸を打つ演技にも注目していただければと思います」と綴っていた。
薩摩藩の年貢の取り立ては特に厳しく、加えて役人たちの不正や賄賂も横行し、百姓たちは苦しむ一方だった。上役へ不信感を抱いていた吉之助はそんな現状を打破しようと、島津斉興(鹿賀丈史)の家老・調所広郷(竜雷太)に、一定の年貢を取り立てる定免法から、取れ高に応じて年貢を決める検見法に改めるよう直訴する。「か弱き者のために」ーー幼き頃、島津斉彬(渡辺謙)から言われたその言葉を胸に、吉之助は百姓のために尽力するが、力及ばずふきが借金の取り立てに連れ去られてしまう。
糸から知らせを受け、ふきの元にたどり着いた吉之助は、砂埃をあげ取り立てに向かい勢いよく土下座をする。「あと少しだけ待ってくいやい! 頼む!」。吉之助の誠意ある行動に対し、ふきは家族のためと、売られることの覚悟を決める。その時、ふきの目の前に見えるのは、晴れ晴れとした青空に映える桜島。ふきは「今日も美しかこと……」と涙を浮かべ、大好きな薩摩への思いを叫ぶ。