年末企画:田近昌也の「2017年 年間ベスト海外ドラマ TOP10」 “多様性”をめぐる議論が1歩先に進んだ
3.『THIS IS US 36歳、これから』シーズン1
本国アメリカで2016年秋に放送が開始されるや否や、ミレニアル世代から熱狂的な支持を獲得した『THIS IS US』。36歳を迎えた主人公たちをめぐる複数のストーリーが並行して進みながら、やがて彼らのつながりが明かされていくスマートな構成の中に、日常生活レベルでの人種問題や、誰もが抱えるコンプレックスや小さな幸せ、あるいは親との確執など、登場人物たちの飾らない人生の一面が描かれている。
4.『ナルコス』シーズン3
上の3タイトルは個人的な経験から共感できる部分も多い作品だが、テレビシリーズと映画のもう一つの魅力は、自分の知らない世界を見せてくれること。コロンビアの麻薬カルテルと政府、そしてアメリカ麻薬取締局の闘いを描くこの『ナルコス』は、筆者にとって、まさにそちらの系列の作品である。史実に基づく内容とはいえ、どの組織に属する人間も、たとえ大統領や軍のトップといえども、いつ殺されてもおかしくない展開は息つく暇も無く、脚色の秀逸さを物語っている。現在製作中の第4シーズンでは、舞台をメキシコに移す。
ここでは筆者が食い入るように見てしまったトップ4の作品のみについて書いたが、他の作品も本当に面白いものばかりだし、何よりキャラクター達がそれぞれ本当に魅力的である。すでに新シーズンの製作が始まっているもの、まだ決まっていないものなどあるが、登場人物たちの次の物語に思いを巡らせながら、楽しみに待ちたい。
■田近昌也
北海道出身。上智大学外国語学部卒。東京でインテリアの営業を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院プロデューサー科を修了。その後メジャースタジオの長編映画企画開発部門などで経験を積む。
■配信情報
Netflixオリジナルドラマ『13の理由』
Netflixにて独占配信中
Netflix:https://www.netflix.com/