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誰かに愛される姫から、誰かを愛するかわいいおばさんへーー『監獄のお姫さま』最終回を振り返る

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「どのおばさんも、みんな誰かの姫なんだよ」 

 「のぶりん、バカじゃなかった!」という馬場カヨの言葉も、長い時間をかけて築いた信頼関係があればこそ。頼り切らない、でもちょっとだけ期待をする絶妙な距離感。面会室の仕切りを懐かしがるカップルは、普通とは違うように見える。だが、冷静に考えれば、画面越しのコミュニケーションという意味では、最も現代っぽいかもしれない。どんな形であっても、お互いの思いを言葉にして伝え合う、その時間が大事なのだ。

 「いいか? どんなに若くてかわいい子も、いずれはおばさんになる。でも、かわいいおばさんは、もうおばさんにならない。俺の姫は、馬場カヨだ。いや、どのおばさんも、みんな誰かの姫なんだよ」と力説するのぶりんに、人としての成長を感じたのは筆者だけではないはず。人は平等に年を取る。日々の出来事を通じて、どんどん変わっていく。若いうちはその変化を成長と呼ばれることが多い。だが、年を重ねると劣化や老化などとネガティブな変化ばかりを取りざたされる。だから、年齢を重ねるのが残念なことのように感じられる場面が多い。

 そんな漠然とした不安を、若いうちには得られない、それこそ時間をかけてこそ光る魅力があるのだと、このドラマは言ってみせた。誰かに愛される姫から、誰かを愛するかわいいおばさんへ。こんなセリフを生み出した宮藤官九郎は、なんてステキな年の重ね方をしている人なのだろうと、うっとりする。

 時間は有限で、人生には必ず終わりがくる。厚生労働省が発表した2016年の日本人の平均寿命(参照)は男性が80.98歳、女性が87.14歳。いずれも過去最高を更新したという。若者と呼ばれるのは、せいぜい20代まで。実に50年以上、私たちはおじさん、おばさんとして生きるのだ。誰かを愛し、自分を愛し、かわいいおじさん&おばさんでいよう。いつまでも若えの若くねえの言える仲間と、ガッツリ結束しながら、愛嬌たっぷりの女優魂を持ち、ちゃっかりお金も稼ぎつつ、冷静に冷静に……。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』
TBS系にて毎週火曜22時〜
脚本:宮藤官九郎
プロデューサー:金子文紀、宮崎真佐子
演出:金子文紀ほか
出演:小泉今日子、満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、猫背椿、池田成志、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂
主題歌:安室奈美恵「Showtime」
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/

      
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