『監獄のお姫さま』“思い出”を共有できる面白さ 宮藤官九郎脚本の粋なはからいを読む
ドラマの中でも、馬場カヨが護送されている時に電車の中でミカンをくれた少女との再会があった。そんな小さな出会いが心を温めてくれる一方で、「新しい嫁の気持ちを踏みにじることになる」「勇介が不幸になる」と言われて、関係を引きちぎられる哀しみもある。人に流されるか、自分の正義を貫いて生きるか。その差は、まるでベッドの下に隠されたえんどう豆のような、“わかる人にだけ伝わる仕掛け“に気づく力なのかもしれない。
「そんな中途半端なお節介なら、最初から焼かないよ。姫のためじゃない。自分のためにやる。それがお節介でしょ」(財テク)、「反省はした。でも後悔はしたくない」(女優)、「頑張ろう! 5年越しのお節介でっせ」姫の事件で実行犯とされるプリンスまで登場し、役者は全て揃った。(姉御)先生の手直しが入った復讐計画は、いよいよ次週クライマックスを迎える。果たして、おばちゃんたちは監獄の中にいる姫を救えるのか、それともおばちゃんたち自身が監獄のお姫さまとなってしまうのか!? 来週が待ち遠しい。
(文=佐藤結衣)
■放送情報
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』
TBS系にて毎週火曜22時〜
脚本:宮藤官九郎
プロデューサー:金子文紀、宮崎真佐子
演出:金子文紀ほか
出演:小泉今日子、満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、猫背椿、池田成志、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂
主題歌:安室奈美恵「Showtime」
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/