2017.11.15 22:01

天龍源一郎、娘の結婚に「誰を連れてきても反対しない」　『LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-』会見

文・写真・取材＝大和田茉椰

　天龍源一郎のドキュメンタリー映画『LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-』のBlu-ray&DVDが、本日11月15日に発売されたことを記念して、書泉グランデにてマスコミ取材が行われた。

　本作は、日本人プロレスラーで唯一、ジャイアント馬場、アントニオ猪木にピンフォール勝ちし、第3次プロレスブームを築き上げた天龍源一郎が、2015年に引退発表をしてから11月に引退試合までを行うまでの1年間を収めている。Blu-rayとDVD全形態の収録映像には、完全日本語字幕を追加。天龍が67歳にして人生初挑戦したオーディオコメンタリーも収録され、天龍プロジェクトの代表を務める娘の嶋田紋奈と、川野浩司監督の3人で2015年の1年を振り返っている。

　マスコミ取材には、天龍と嶋田が登壇。天龍は、「撮ってもらうんだったら、全てさらけだしてしまおうという気持ちで、監督にやってもらおうと思った」と、映画を撮り始めた当初の気持ちを明かす。プロレス界では、これまで携わってなかった人物が控え室を出入りしたりすることはありえないこと。しかし、監督は普通なら入れない場所でもたくさんカメラを回し、撮影を行ったという。本作のプロデュースを手掛けたのは嶋田であるが、「映画を観るまで知らなかった映像がたくさんありまして。（天龍が）こんな風に考えてくれていたんだなと思った」と、天龍が家族への思いを吐露する本編のシーンについてコメントした。

　実際に本作は、監督から「親子を撮りたい」というオファーを受け、製作がスタートしたという。本作で描かれる“親子愛”について天龍は、「親父である天龍源一郎を守らなきゃいけない。そして、守らなきゃいけない娘がいるんだなと、感傷的な気持ちにさせられる場面があり、サポートしてもらってるという気持ちがすごくありました」と語る。また、島田は「本当の家族は3人なんですけど、他の選手とかも家族であって、最後の入場シーンとかも大将（天龍）の人生にはさして大きな影響を与えてないかもしれないけれど、天龍プロジェクトで育ってきた若い選手とかが後ろに控えていて、かつ北原（光輝）さんとか昔から殴り合ってきた選手とかもいて……という時代の流れがわかるっていうのがグッときました」と、天龍と周囲の人々との絆について語った。

　また、会見の終盤には、島田の結婚についての話題になり、天龍が「え、そうなの!?」と初耳のような反応をして、記者を沸かせる。島田が結婚を決めたのは、本作の影響によるところも大きいそうだ。劇中で天龍から、「青春を父ちゃんのために捧げてくれてありがとう」「本当は自分が家族を守って、その後ろに家族がついてこなくちゃいけないのに、2人が頑張ってるから俺も頑張らなきゃいけない」「誰よりも幸せになってほしい」と言われていたことを知り、島田は「今までと変わらない状況で、かつ自分の幸せを願うことは、親孝行にもなるのかな」と考え、結婚を決意したそうだ。

　その話を聞いた天龍も「『自分の気持ちに一歩踏み出せた』とは聞いていた」と明かし、島田から結婚の報告を受けた際には、「あ、そう」と快く承諾。「好き同士だったら、誰を連れてきても反対しないよ」と伝えたそうだ。映画本編と同様に、親子愛が垣間見えた会見となった。