『ひるね姫』は“設定資料”にも価値あり 小野寺系がBlu-rayスペシャル・エディションを解説
「Story Book（ストーリー・ブック）」
完成されたヴィジュアルを基に美麗にデザインされた、作品の基本情報や物語の謎に迫るブックレット。
本作で主人公・森川ココネ／エンシェンの声を演じるのは、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』や、TVドラマ『過保護のカホコ』の主演で注目を集める、いま日本で最も熱い視線が注がれている女優の一人、高畑充希だ。本作は、彼女のアニメーション映画初参加作品でもある。他には、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、そして江口洋介といった、声優・俳優を集めた実力派が登場人物に声をあてている。“Story Book”では、その9人全員のコメントが掲載されている。
こちらに載っている神山健治監督のインタビューは、当初は『スター・ウォーズ』のような壮大な物語を念頭においていたことや、「夢」という題材にたどり着いた理由など、映画監督としての作家性に関わる内容だ。
極めつけは、作品のなかの疑問に監督自身がどんどん答えていく“Director's Commentary”。夢に出てくる「ハートランド」や「鬼」とは何の象徴だったのか。また「ココネ」、「エンシェン」の名前の由来の解説、一見分かりづらいクライマックスの状況説明など、「こんなことを監督自身が分かりやすく語ってしまっていいのか？」と思ってしまうほど、しっかりと解説してくれているので、本作を鑑賞した後にぜひ読んでほしい。
『ひるね姫』が暗示する、時代の変わり目
本作で描かれているのが、自動車の自動運転システムという新しい技術と、これまでの職人精神とのぶつかり合いである。それはデジタル化、CG化の荒波のなかにある日本のアニメーション界の現状でもあり、グローバル化のなかで世界に出て行こうとする者と内にこもる者の価値観がぶつかり合い混沌とする、いまの日本社会にも重ねることができる。
そのなかで、我々はどう生きていくべきなのか。本作は、まさに“いま”という、時代が変わりゆく結節点を描くことで、一人ひとりの心にそう問いかけてくる。その答えをじっくり考えるためにも、この作品をもう一度見直すのは意味のあることだろう。
■小野寺系（k.onodera）映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。Twitter／映画批評サイト
■リリース情報
『ひるね姫 ～知らないワタシの物語～』
Blu-ray＆DVD発売＆レンタル中
【Blu-ray スペシャル・エディション】
枚数：2枚組（本編ディスク1枚＋特典ディスク1枚）
価格：￥9,800＋税
本編110 分＋特典映像
描き下ろし三方背BOX
＜封入特典＞
●特製ブックレット2冊（Spec Book・Story Book）
＜映像特典＞
●予告編
●SPOT 集
●舞台挨拶集（完成披露試写会、初日舞台挨拶）
●キャスト アフレコ＆インタビュー（高畑充希、満島真之介、古田新太、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介）
●座談会集
・スペシャル座談会（高畑充希、満島真之介、江口洋介）
・『ひるね姫』公開記念SP特別座談会 完全版（高畑充希、満島真之介、江口洋介、進行:天野ひろゆき（キャイ～ン））
・神山健治監督SPインタビュー（神山健治監督）
●J-WAVE「AVALON」公開収録（高畑充希、満島真之介）
●岡山県倉敷市実写風景
●主題歌MV
●ノンクレジットエンディング
●huluオリジナル『エンシェンと魔法のタブレット～もうひとつのひるね姫～』
【Blu-ray スタンダード・エディション】
枚数：1枚組（本編ディスク1枚）
価格：￥5,800＋税
本編110分
＜封入特典＞
●ブックレット（縮刷プレス）
＜映像特典＞
●予告
●特報
【DVD スタンダード・エディション】
枚数：1枚組（本編ディスク1枚）
価格：￥4,800＋税
本編110分
＜封入特典＞
●ブックレット（縮刷プレス）
＜映像特典＞
●予告
●特報
キャスト：高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介
原作・脚本・監督：神山健治
音楽：下村陽子
主題歌：「デイ・ドリーム・ビリーバー」森川ココネ（ワーナーミュージック・ジャパン）
キャラクター原案：森川聡子
作画監督：佐々木敦子・黄瀬和哉
演出：堀元宣・河野利幸
企画製作：日本テレビ放送網
制作プロダクション：シグナル・エムディ
配給：ワーナー・ブラザース映画
発売・販売元：バップ
(c)2017 ひるね姫製作委員会
映画公式サイト：http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/
