>  > 人の知性描く『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』

“人の知性”についての物語ーー『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』は知的好奇心を煽る秀作だ

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本作の物語の縦軸は、人間のリクと機械仕掛けのシュヴィが共同作業によって、争いのない世界を創り上げるという話だが、シュヴィが人間の心を理解するために、リクとの交流によって心を獲得していく様が横軸となっている。本作のエクスマキナは厳密には人工知能ではなく、神霊に作られた存在だが、機械仕掛けであり、人知を超えた演算能力によって無限の成長が可能など、AIと似た特徴を有している。そのため、エクスマキナを人工知能的存在として見ることにする。情報処理と計算能力に優れた人工知能と、争いを生む世界の構造ルールそのものを変えようとする人間の意思、そのどちらかが欠けていても最後の成果は果たしえない。人間だけでは到達できない領域に、人工知能の助けを借りて到達する物語だと言える。

 このシリーズの題材であるゲームにおいても、例えば将棋の世界でも人工知能の登場によって、対局の奥深さはさらに進化していると言われる。研究に将棋ソフトを積極的に導入する藤井四段などの新世代の登場がそれを物語る。

 人の力ではたどり着けない地平に、AIの力を借りて到達する。良き意思さえあれば、人工知能は脅威ではなく、人に新しい希望をもたらすことができるのではないか。

 人の知性を前向きに信じたくなる、そんな作品だ。

■杉本穂高
神奈川県厚木市のミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人。ブログ:「Film Goes With Net」書いてます。他ハフィントン・ポストなどでも映画評を執筆中。

■公開情報
『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』
角川シネマ新宿ほかにて公開中
キャスト:松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子 、沢城みゆき、釘宮理恵
原作・キャラクター原案:榎宮祐(MF文庫J 『ノーゲーム・ノーライフ』KADOKAWA刊)
監督:いしづかあつこ
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:田崎聡
コンセプトアート:ホッチカズヒロ
美術監督:岩瀬栄治
美術設定:大平司
色彩設計:大野春恵
3D監督:鈴木正史
撮影監督:川下裕樹、伏原あかね
編集:木村佳史子
音楽:藤澤慶昌
音楽制作:KADOKAWA
音響監督:明田川仁
音響効果:小山恭正
音響制作:マジックカプセル
アニメーション制作:MADHOUSE
配給:角川ANIMATION
製作:ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会
(c)榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会
(c)Yuu Kamiya,PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION /NO GAME NO LIFE ZERO PARTNERS
公式サイト:http://ngnl.jp/

      

「“人の知性”についての物語ーー『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』は知的好奇心を煽る秀作だ」のページです。の最新ニュースで映画をもっと楽しく!「リアルサウンド 映画部」は、映画・ドラマ情報とレビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版