小栗旬と西島秀俊、“言葉がいらない”関係性ーー『CRISIS』持てる者と持たざる者の意味を読む

小栗旬&西島秀俊“言葉がいらない”関係性

 第5話の最後に、鍛冶が稲見に「薄汚い仕組みを変えたかったら、正義感に縛られて動きを不自由にするな。善も悪も全て取り込んでしなやかに動け。そうやって蓄えた力でいつか本物の悪を叩けばいい。(中略)目指す場所を見つけ、傷つきながらでも進むしかない」と口にする。これは鍛冶自身の今の状況を説明し、自身に言い聞かせているようでもあった。同時に、沢田が序盤で言っていた「どんな仕事でも、その道で成功しようと思ったら絶対に必要なものがある。なんだと思う? 覚悟だよ」という言葉が頭に浮かぶ。鍛冶は“覚悟”を持っている。稲見ら公安機動捜査隊特捜班もまた揺るぎない“覚悟”を持っていくのだろう。

 もしかしたら、その“覚悟”を持つ者こそ実は“持てる者”であり、他人の命を奪ってまで自身を保身し続ける“覚悟のない”神谷議員はじめ政府要人らは“持たざる者”なのかもしれない。そして、持てる者が持たざる者たち“本物の悪”から全てを奪っていく、という展開へ進んでいくことを期待したい。

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(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』
関西テレビ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
原案・脚本:金城一紀
出演:小栗旬、西島秀俊、田中哲司、野間口徹、新木優子、石田ゆり子、飯田基祐、眞島秀和、野崎萌香、長塚京三
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
演出:鈴木浩介、白木啓一郎(カンテレ)
チーフプロデューサー:笠置高弘(カンテレ)
プロデューサー:萩原崇(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:www.ktv.jp/crisis/

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