桐山漣、仮面ライダー俳優からの飛躍ーー『コードネームミラージュ』で見せた“静かな熱さ”
さて、『仮面ライダー』出身俳優と聞くと、最初から華々しい道を歩んできたと思いがちだが、桐山は役者になるために、長い下積みを重ねてきた人物である。アルバイトに明け暮れながら、演技レッスンを続け、いくつものオーディションに落ちながらも「見てろよ、大人たち!」と、絶対に夢を実現させてみせると心に誓ってきたという。役者デビューは2006年。『仮面ライダーW』はライダーオーディション5作品目にしてつかんだ。その後は、ライダーのイメージだけでなく、『吉祥寺の朝日奈くん』、『群青色の、とおり道』といった主演映画で自然体の演技も披露してきた。
いわゆる今風の優しげな顔立ちの内側に、強い精神力と反骨心を秘めてきた桐山。今回のセリフをほとんど発しない主人公という枷は、表現を身体に集約させることによって、逆に役者・桐山自身の放つ熱を映し出してくれるのではないだろうか。そしてそれは、30代以降の大人の役者としての幅を広げるきっかけにもなるだろう。やがて国家を揺るがす陰謀に向き合うことになるミラージュ。2クールたっぷり、ハードボイルドな世界観に身を置いた、クールに見えて青い炎のように熱い、桐山の魅力を存分に見せてもらおう。
■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。
■放送情報
『コードネームミラージュ』
毎週金曜深夜1時23分~(テレビ東京系)
原作:広井王子
エグゼクティブ・プロデューサー:二宮清隆
出演:桐山漣、要潤、佐野ひなこ、武田真治、萩原聖人
企画:東北新社
脚本:江良至、鴨義信、保坂大輔
監督:山口雄大、渋谷和行、辻本貴則、原桂之介、金子功
制作:東北新社、オムニバス・ジャパン
(c)2017広井王子/「コードネームミラージュ」製作委員会
公式サイト:http://code-mirage.jp/