『ひるね姫』神山健治が語る、日本アニメの課題 「業界全体が危機感やジレンマを感じている」

『ひるね姫』神山健治が語る、日本アニメの課題 「業界全体が危機感やジレンマを感じている」

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ーーアニメ業界全体としてデジタル作画へ移行していくような流れになるのでしょうか?

神山監督:デジタル作画がスタンダードになっていく動きはないですね。ただ、何かを変えないといけないという危機感は持っていると思います。人手不足や制作予算の問題も、ここ何年かで解消されるものでもありません。ただ、少ないリソースでどれだけ最大限のパフォーマンスができるのかという点で、選択肢としてデジタルがあるのはいいことだと思います。アニメーターは職人なので、道具を持ち替えさせる難しさもありますし、設備を揃えるのにもお金がかかります。その辺りのジレンマは業界全体が感じていることだと思います。

ーー鑑賞する側としてはいかがでしょうか?

神山監督:世代の違いや世相が関係しているのかもしれませんが、3Dやノイズの少ない絵にみんな慣れてきていますよね。10年前にデジタルが始まった頃は、ノイズの追加や彩度を落とすために使われていました。でも、最近は明るめの彩度でクリアな絵が求められる傾向にあります。その点では、タブレット線の方が紙に書くよりも線画が綺麗だと言えますし、色彩のコントロールも紙よりは自由がきくので、時代にもあっているのかもしれません。『ひるね姫』でも、お客さんには明るさやクリアな描写を感じてもらえるように考えていきました。ただ、『ひるね姫』もタブレットと紙を併用しているのですが、両方使った時のばらつきを無くすのは、今後の課題になってくると思います。

ーー今後も日常に寄り添うような作品を?

神山監督:正直、これまで作ってきたようなSF作品を作りたいと思う気持ちもあります。ただ、望まれない作品を作るよりも、今はみんなに観たいと思ってもらえる作品を生み出していけたらいいなと考えています。

(取材・文=泉夏音)

■公開情報
『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』
2017年3月18日(土)全国ロードショー
原作・脚本・監督:神山健治
キャスト:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介ほか
音楽:下村陽子
キャラクター原案:森川聡子
作画監督:佐々木敦子、黄瀬和哉
制作:シグナル・エムディ
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2017 ひるね姫製作委員会
公式サイト:http://www.hirunehime.jp

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