生田斗真はなぜ“普通の女性”になりきれた? 『彼らが本気で編むときは、』で見せた新境地

 聖母の役割を担い、時に美しく描かれすぎているようにも映るリンコ像ではあるが、彼女が抱えてきた様々な思いは、編みチンというポップなアイテムとして、きっちりと存在感を示し、生田も端々の表情でリンコの歩んできた道程をにじませる。物語の終わり、ベランダの手すりに肘をかけ、物憂げに空を見つめるリンコの姿が映し出される。そこにいるのは、まぎれもなく美しいひとりの女性だ。生田斗真は、『彼らが本気で編むときは、』で手の大きな聖母となった。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■公開情報
『彼らが本気で編むときは、』
公開中
出演:生田斗真、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、りりィ、田中美佐子、桐谷健太 ほか
脚本・監督:荻上直子
配給:スールキートス
(c)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
公式サイト:kareamu.com

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