相葉雅紀、“月9”の救世主となるか? 『貴族探偵』型破りなキャラクターへの期待
フジテレビ月曜9時のドラマ枠“月9”は、近年視聴率の低下が目立っているが、次回作こそ名誉挽回の機会となるかもしれない。2017年4月クールは月9が30周年を迎えるタイミングとあり、以前から注目が集まっていた。この記念すべきタイミングに放送されるドラマは『貴族探偵』(フジテレビ系)。独特の世界観で病みつきなる作品が多い作家・麻耶雄嵩による推理小説『貴族探偵』『貴族探偵対女探偵』が原作である。キャスト陣は武井咲、生瀬勝久、井川遥、仲間由紀恵、滝藤賢一、中山美穂、松重豊と非常に豪勢。『貴族探偵』にかけるフジテレビの意気込みが伝わってくるようである。そんな中、主役に抜擢されたのは嵐の相葉雅紀だ。彼は一体どのような活躍を見せてくれるのだろうか。今までの相葉の演技を振り返りつつ、『貴族探偵』への期待を考えてみたい。
『貴族探偵』は、本格ミステリーの探偵ドラマ。相葉演じる主人公は、年齢、家族、学歴、住所、本名までも不明な探偵を趣味にしている青年で、自分のことを“貴族”と名乗っている。上品で垢抜けた見た目と紳士的な立ち振舞い、常に落ち着いていて動じない態度が特徴的な人物である。しかし、実際に捜査・推理をするのは貴族の召使いたち。召使いたちが捜査・推理をしている間、貴族は女性との会話を楽しんだり、遊びに興じたりしている…という、ミステリーともコメディとも取れる内容。刑事の鼻形雷雨(生瀬勝久)、貴族と競うように事件に関わる探偵・高徳愛香(武井咲)など個性豊かなキャラクターが出て来るが、何と言っても主人公・貴族のキャラクターが型破りすぎる。確実に、相葉が今まで演じてこなかった役になるだろう。
相葉が今まで演じたきた役を振り返ると、「素朴」「素直」「不器用ながらも一生懸命」などの特徴を持ち、いわば“相葉らしさ”を上手く活かした役柄が多かった。たとえば、『マイガール』(テレビ朝日系/09年)笠間正宗役の真面目で穏やかな性格や、お人好しという点、『バーテンダー』(テレビ朝日系/11年)佐々倉溜役の子供っぽさや一生懸命さ、『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系/12年)片山義太郎役の人を疑わない心や、やや情けない性格などは、相葉の素に通じる部分がある。さらに今回と同じ月9ドラマで、相葉の代表作ともなった『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系/15年)倉田健太役では、気弱な青年がストーカーから家族を守るため、徐々に精神的にタフになっていく様を演じ、好評価につながった。同作の最終回の平均視聴率は15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、近年の月9としても高い視聴率を誇った。トレンディーな恋愛ドラマではなく、サスペンス調のホームドラマだったことも、同枠にとってチャレンジングな作品だったといえよう。