『おんな城主 直虎』が子役パートをじっくり描く理由 人間ドラマ重視するNHKの狙いを読む

『直虎』じっくり子供時代を描く理由

 NHKのキャスティングは、同じ俳優を重用するなど賛否を呼ぶことも多いが、こと子役に関しては、どの作品をとっても見事と言うほかない。とりわけ大河ドラマ、朝ドラでは、主演俳優の面影と演技力を併せ持つ子役を抜てきし、言葉づかいや所作をきっちり教え込んでいる。今作の新井美羽、藤本哉汰、小林颯が残り2話の演技で人気を集め、のちに再登場を望む声もあがるのではないか。

 長年の大河ドラマファンは、どうしても歴史上の大事件や合戦シーンに期待をしてしまうところがある。それを昨年の『真田丸』は軽やかにスルーして驚かせた。今作も子役パートの描き方を見る限り、歴史上の大事件や合戦シーンよりも、直虎を中心にした人間ドラマに重きを置くだろう。つまり、「視覚よりも感情に訴えかける」作品になるということだ。

 『真田丸』のヒットと比べるまでもない。『おんな城主 直虎』は、「一年間追いかけるに値する大河ドラマ」と確信している。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月間約20本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

■放送情報
『おんな城主 直虎』
2017年1月8日(日)スタート(全50回)
[NHK総合]毎週日曜20:00〜20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00〜18:45
作:森下佳子
主演:柴咲コウ
制作統括:岡本幸江
プロデューサー:松川博敬
演出:渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/naotora/

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