チャップリンの孫が語る、“笑い”の難しさ 「ユーモアは国籍や年齢、時代によって変化する」

『ショコラ』キャストインタビュー

「笑いの文化の交換は特に難しい」

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ーーちなみに、日本の芸人を知っていますか?

ティエレ:残念なことに、日本の芸人は知らないな(笑)。古典的な文化やアニメーションは別として、コンテンポラリーな日本の文化はヨーロッパにはまだ馴染んでいないと感じる。日本が西洋の文化を取り入れているのと同じくらい、日本の文化がこちらに輸入されてきているとは思えない。その原因には、フランス特有の文化大国コンプレックスが影響しているのかもしれないね。フランス人はフランスが文化大国である意識が強いんだ。自分たちが文化大国であることのおごりが、他国の文化に対する好奇心を薄くしているのかもしれない。

ーー笑いで共感を得るのは、余計に難しいですよね。

ティエレ:ユーモアという点ではもっと複雑だ。フランス人と日本人はまったく感覚が違うからね。日本とフランスに限らず、笑いの文化の交換は特に難しいだろう。その証拠に、カンヌ国際映画祭などを見ても、日本はヒューマンドラマがメインで、コメディが出品されることはほとんどない。そこには、笑いというジャンルの特殊性が表れていると思う。国籍だけでなく、年齢や時代によって変化していく……“笑い”とは、本当にミステリアスで、答えのないものなんだ。

(取材・文=泉夏音)

■公開情報
『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』
2017年1月21日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督:ロシュディ・ゼム
出演:オマール・シー、ジェームス・ティエレ、クロティルド・エスム、オリヴィエ・グルメ
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
2015年/フランス/119分
(c)2016 Gaumont / Mandarin Cinema / Korokoro / M6 Films
公式サイト:chocolat-movie.jp

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