深田恭子、真木よう子、吹石一恵……「82年世代」女優が醸し出す、成熟した魅力
福山雅治の妻である吹石一恵もまた82年生まれだ。前の2人に比べてやわらかいイメージで、母性的な魅力の持ち主といえよう。かつては、優等生な生徒や若手社員役などを演じていたのだが、気がつくと『ROOKIES』(TBS/08年)や『ママとパパが生きる理由。』(TBS/14年)などの作品で、お姉さんやお母さんが似合う女優となっていた。
吹石の場合は、バラエティ番組で見られたように、本来の性格の良さからくるナチュラルな美しさが、役者としても滲み出てきている印象だ。さらにスタイルも抜群で、同性からも憧れられる存在となっている。ユニクロのブラトップのCMに起用されたのは、そんな彼女のイメージの良さがあってこそである。
1982年生まれは、幼少期にはバブルを、そしてテクノロジーがアナログからデジタルへ移行していく時代をリアルタイムで体験している世代だ。世間では、競争重視の「就職氷河期」と個性重視の「ゆとり」の間にある「はざま世代」と呼ばれ、両方の良い面と悪い面を見てきた。そのため、冷静な判断のできる世代でもある。深田恭子、真木よう子、吹石一恵の共通点を見いだすとするならば、「マイペース、嫌みがない、そしてスタイルが良い」といったところ。トレンドに消費されるのではなく、着実に自分らしい仕事を積み重ねてきた結果として、いまの彼女たちがあるといえるかもしれない。2017年には35歳を迎え、いよいよ脂が乗ってくる時期だ。彼女たちが実力派女優として、映画・ドラマ界を豊かに彩ることを期待せずにはいられない。
(文=本 手)