『逃げ恥』プロデューサーが語る、最終回に込めた想い 峠田P「どの生き方も否定しない」

『逃げ恥』Pが語る、最終回の見どころ

峠田P「二人が関係を作り上げる“過程”に注目してほしい」

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(c)TBS

ーー本作ではパロディネタのほか、様々な小ネタが仕込まれていることも話題となっています。みくりさんが妄想の中で『ファンタシースターオンライン2』をプレイしているとき、そのレベルが上限まで上げられていたり、彼女のスリッパがバブーシュの革製スリッパで、百合ちゃんのモロッコ旅行と関係しているんじゃないかとか。こうした小ネタはどんな風に考案しているのですか?

峠田:台本の世界観を作り上げるために、ひとつひとつのモノにちゃんと意味があるようにしたいとは心がけていました。百合ちゃんがモロッコ旅行に行ったときのお土産なのかとか、あるいは影響を受けて日本で買ったのかと、視聴者が想像できるように。それは台本の行間にあたる部分で、僕らだけのアイデアではなくて、美術や衣装の方がみんなで楽しんでやってくれています。エプロンに「I’M BEST PARTNER」って書いてあったのは、スタイリストの方のアイデアで。スタッフみんながこのドラマを楽しむために提案しあって、成り立っているんです。

那須田:ディティールへのこだわりがあると、もう一度観てみようと思ってもらえるし、それも先ほど言った“いろいろな楽しみ方”につながるんですよね。

峠田:今回のドラマでは、制作側が楽しんで作っているということも伝えたいと思っていて。ちょっとした小物についてもそうですし、恋ダンスやSNS、クックパッドの連携などもそう。僕たち自身が楽しんでアイデアを持ち寄ることで、『逃げ恥』はうまく回っていったと思います。自分たちが楽しんでいることを伝えるのが本筋ではないけれど、楽しんでいるんだろうなと思ってもらえることで、親近感を持ってもらえたらいいなと。

那須田:TBSのドラマチームは、わりとみんな長く一緒にやっているから、言わずとも一生懸命楽しんでやってくれるんですよ。津崎さんが家にロボホンを飾っているのもスタッフのアイデアですし、それが面白ければ脚本にも入れてしまう。みくりも契約で家に来ているわけだけれど、職場を楽しくするために、少しずつクマのグッズを増やしていったり。そういう遊び心は、現場が楽しいからできていることなので、ぜひ観て欲しいですね。

ーー今回、監督をTBS社員の金子文紀さん、土井裕泰さん、石井康晴さんの三名が担当していますが、作品ごとに演出が変わることによって、トーンにバラつきが出たりすることはないのですか?

那須田:もちろん、あまりにトーンが違うようでしたら指摘しますが、連続ドラマはそれも楽しみのひとつになると思うんですよね。与えられた題材の中でいろんな楽しみを作るのが演出でもあるし、コメディは特にそう。それに、三人とも長年やっているベテランだから、継続すべきところはわかっているはず。だから、統一感を求めてなにか口出ししたりすることはありませんでした。それよりむしろ、どんどんアイデアを出してくれと。

峠田:根本の世界観はチーフの金子監督が作りますけど、その上で土井さんや石井さんがいろいろと遊んでいて、作品に幅が出たと思います。ちょっとした間の取り方も違っていたりして、それが楽しさに繋がっているんじゃないかと。

ーー最後に、今夜放送の最終回に向けて、見どころを教えてください。

峠田:やっぱり、二人の関係がどうなるか、そしてその関係を作り上げる過程に注目してほしいですね。僕らは決して新しい夫婦の形を提示したいとか、大それたことを伝えるつもりはなくて。でも、10話かけて関係性を築き上げた二人が、どういう結論を出すのか、その過程はしっかりと描いているつもりです。どの生き方も否定しないドラマで、きっと様々な登場人物の生き方のどこかに共感できる部分があると思いますので、そういう目線でも楽しんでいただきたいですね。ちょうど原作も最終回を迎えるタイミングですが、原作は原作なりの、ドラマはドラマなりの終わり方をするので、その違いを楽しんでいただくのもいいかもしれません。続編や映画化についてもよく聞かれますけれど、いまのところは何も予定はなく、今夜の放送ですべてを出し切るつもりです。パロディも「そうきたか!」と思ってもらえると嬉しいです。

那須田:逃げ恥らしさが全開になった最終回だと思います。最後までむずむずキュンキュンがいっぱい詰まっているので、結果だけではなく、その過程も楽しんでください。

■高根順次
スペースシャワーTV所属の映画プロデューサー。『フラッシュバックメモリーズ3D』、『劇場版BiSキャノンボール』、『私たちのハァハァ』を手掛ける。最新作『WHO KiLLED IDOL? SiS消滅の詩』 が2月4日から公開予定。

■番組情報
『逃げるは恥だが役に立つ』
毎週火曜日よる10時〜
製作著作:TBS
原作:海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社“Kiss”にて連載中)
脚本:野木亜紀子
出演:新垣結衣、星野源、石田ゆり子、藤井隆、真野恵里菜、葉山奨之、古田新太、宇梶剛士、富田靖子ほか
プロデューサー:那須田淳、峠田浩、宮﨑真佐子
演出:金子文紀、土井裕泰、石井康晴
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/



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