オカルトとネットはどう交差している? 志倉千代丸原作アニメ『オカルティック・ナイン』の現代性

 そんな、オカルトとインターネットが共存している現状を、より赤裸々に描いているのが、今回の『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』だ。本作では、「ネットのまとめサイト運営者」という設定の主人公を中心に、テレビでは報道されないような口コミ情報がネットに集まる模様が描かれている。また、「占い少女」という、古典的なオカルト要素を取り入れつつも、彼女が登場するのはテレビではなくネットの生放送だという点も、非常に現代的だ。

 原作者である志倉千代丸は、前述した『Steins;Gate』の企画原案者でもあり、さらに、株式会社ドワンゴの取締役という顔も持っている。ドワンゴといえば、ニコニコ動画。どうりで、作中でもネットの生放送が取り上げられているわけだ。ネットに精通している彼だからこそ、オカルトを取り巻く環境変化も俊敏にかぎとり、作品に活かされることとなったのだろう。

 いよいよ物語も終盤へと差し掛かり、意外な人物が鍵を握っていたことが明らかとなった『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』。もちろん、純粋にストーリーを追うだけでも楽しめるが、こうしたメディアを巡るオカルトの変遷を辿ることで、作品をより深く味わうことができるだろう。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。
Twitter:https://twitter.com/manyotaso

■放送情報
『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』
TOKYO MXにて毎週土曜24時00分から放送中
原作:志倉千代丸
出演:梶 裕貴、佐倉綾音、石川界人、吉田仁美、伊藤 静ほか
公式サイト:http://occultic-nine.com/

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