岡山の奇跡=桜井日奈子のポテンシャルは計り知れない! 次々と見せる新たな顔を分析

 そう考えると、先日まで放送されていた『そして誰もいなくなった』での彼女のキャラクターは、また違う魅力を発揮していた。ドラマ序盤では少しだけ登場するミステリアスな少女を演じ、中盤以降では少し影を持った家出少女として主人公とともに行動する。「フォトジェニック」、「剽軽さ」、「体育会系」ときて、「ミステリアス」という新たな一面も獲得したのだ。

 どれもが演技で作られたものではなく、彼女の持ち前のポテンシャルによって発揮されていると考えれば、一体彼女はどれだけの顔を持っているのか。多様な可能性を持ちながら、まだ方向性が定まっていないところが、今彼女が人気を集めている最大の要因だろう。ドラマやCM、舞台といった場面以外でも、バラエティ番組や、自身がデビューした「岡山美少女・美人コンテスト」でのトークショーなど精力的に活動し、地道に可能性を広げているのだ。

 現在放送中の『THE LAST COP/ラストコップ』では交通課の新人巡査を演じている彼女。コメディドラマということもあり、上に挙げた四つの中では「剽軽さ」をメインに出した、頭のネジが一本外れているようなとぼけた姿で、個性的なキャストの中でも決して見劣りしない。先日放送された第6話では念願のアクションシーンに挑み、初のワイヤーアクションに悪戦苦闘していたようだ。

 その身体能力を活かしたアクション女優としての可能性も見えてきた彼女。今後女優としてキャリアを重ねていく中で、必ず得るであろう代表作では、一体どんな姿を見せてくれるのだろうか。筆者の個人的な見解では、ドラマや映画などの長い出演時間の映像演技で、フォトジェニックさを発揮することができれば怖いものなしだと考えている。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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