本田翼と山本美月、“17歳の痛々しさ”をどう表現した? 『少女』の生々しい演技を考察

本田翼&山本美月が表す痛々しさ

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(c)2016「少女」製作委員会

 本田と山本のどこか演劇を彷彿とさせるオーバーな演技もいいスパイスになっている。非現実感を出しているからこそ、逆に生々しい。なぜなら、17歳から見える世界は大人たちが見ている“現実”とは異なっており、どことなく曖昧で刺激的で混沌としているからだ。また、成熟しきっていないため、感情に制御が効かない。だからこそ、一つひとつの物事に対して大袈裟なリアクションを取る。ある種“ワタシ”というヒロインを演じ、酔いしれているのだ。

 17歳の少女たちの無邪気が生み出す悲劇に、背筋がゾッとする。由紀が掴んだ敦子の腕を放す瞬間の表情、敦子の怯え、震える声が脳裏に焼き付いて離れない。

(文=戸塚安友奈)

■公開情報
『少女』
10月8日(土)全国ロードショー
原作:湊かなえ『少女』(双葉文庫)
監督:三島有紀子
出演:本田翼、山本美月
配給・宣伝:東映
(c)2016「少女」製作委員会
公式サイト:www.shoujo.jp

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