思わぬ相手に届いた“手紙“は、物語をどう動かす?『すれ違いのダイアリーズ』『若葉のころ』評
これら2本の映画に共通するのは、“メール”や“日記”によって時間を超えて繋がりゆく、人々の“思い”である。本来、直線的に流れてゆくはずの“時間”というものを、自由に行き来する“装置”としての“メール”や“日記”。そして、そこから溢れ出る、さまざまな“記憶”。それは登場人物たちだけではなく、やがて観る者たちの“記憶”をも、激しく揺り動かしてゆくのだった。ひとつは台湾から、そしてもうひとつはタイから届けられた珠玉の映画たち。この機会に是非、そこに映し出される見知らぬ人々の“思い”に触れてみてはいかがだろうか。
■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「CUT」、「ROCKIN’ON JAPAN」誌の編集を経てフリーランス。映画、音楽、その他諸々について、あちらこちらに書いてます。
■公開情報
『若葉のころ』
公開中
製作総指揮:リャオ・チンソン
監督・原案:ジョウ・グータイ
脚本:ユアン・チュンチュン
出演:ルゥルゥ・チェン、リッチー・レン、シー・チー・ティエン、シャオ・ユーウェイ、アンダーソン・チェン、アリッサ・チア
(c)South of the Road Production House
公式サイト:http://www.wakabanokoro.com/
『すれ違いのダイアリーズ』
公開中
監督:ニティワット・タラトーン
脚本:ニティワット・タラトーン、トサポン・ティップティンナコーン、スパルック・ニンサーノン、ソーパナー・チャオワウィワットクン
出演:スクリット・ウィセートケーオ、チャーマーン・ブンヤサック
(c)2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.
公式サイト:http://www.moviola.jp/diaries2016/