>  > 『ガルム・ウォーズ』が訴えかけるもの

押井守監督は「戦争」を問い直すーー最新作『ガルム・ウォーズ』の“艦隊戦”が映し出すもの

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「戦争が現実的であったことなど、ただの一度もありゃしない」…『機動警察パトレイバー 2 the Movie』が描いたテーマは、日本人が過去も現在も目を逸らしてきた「戦争」への欺瞞的な姿勢だった。日本の「平和」は、いまも世界で起こる戦争の犠牲者の上に成り立っているのではないか。本質的な意味で、日本は世界で起こる戦争の後方にいるだけではないのだろうか。そして第二次大戦を十分に総括しなかったツケがいつか回ってくるだろうことを、押井監督はこの作品で予言している。それは、ベトナム戦争で日本が米国を支援することに反対し学生運動に加わったものの、最後まで運動に参加することのできなかった高校時代の押井守が現在まで絶えず持ち続けた、経済的繁栄を成し遂げ、欺瞞的な「平和」を享受する日本への反発と、孤独感であろう。

 押井守監督は果たして、念願の『GARMWARS ガルム・ウォーズ』によって戦争を総括することができただろうか。そして高校時代の押井守は、数十年の時を超えて「祭り」に間に合うことができたのだろうか。おそらく次に作られるであろう押井監督のアニメーション作品によって、それを判断できるのではないかと思う。

■小野寺系(k.onodera)
映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。Twitter映画批評サイト

■公開情報
『ガルム・ウォーズ』
5月20日(金)全国ロードショー
原作・脚本・監督:押井守
日本語版プロデューサー:鈴木敏夫
出演/声の出演:メラニー・サンピエール/朴璐美、ランス・ヘンリクセン/壤晴彦、ケヴィン・デュランド/星野貴紀
音楽:川井憲次
協力:スタジオジブリ
制作:Production I.G
製作:バンダイナムコエンターテインメント Production I.G
配給:東宝映像事業部
(c)I.G Films
公式サイト:garmwars-movie.com

      

「押井守監督は「戦争」を問い直すーー最新作『ガルム・ウォーズ』の“艦隊戦”が映し出すもの」のページです。の最新ニュースで映画をもっと楽しく!「リアルサウンド 映画部」は、映画・ドラマ情報とレビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版