BOYS AND MEN『復讐したい』インタビュー
BOYS AND MEN・水野勝と田中俊介が語る、山田悠介原作『復讐したい』に込めた情熱
田中「メンバー同士でしっかり意思統一はできていた」
ーーとてもシリアスなストーリーだと思います。BOYS AND MENの関係性などは、この作品に反映されているのでしょうか。
田中:事前にほかのメンバーにどんな心境で役に挑むのかをヒアリングすることができたのは、劇中で“チーム”を演じるうえで役に立ったと思います。しっかり意思統一はできていたので、それは演技にも反映されているはず。ただ、各々の役柄についてはいつもの自分たちとは違うし、現場でもいちいち打ち合わせたりせず、感情をぶつけ合っています。
ーー手に汗握るアクションシーンも見どころでした。
水野:今回は銃を使用する役柄だったので、男として昂ぶるものがありました(笑)。ただ、構え方に説得力がないとカッコ悪いので、その辺はかなり研究しましたね。映画のガン・アクションシーンを観るのはもちろん、専門的な本も読んだし、海外で実弾射撃もしました。実際に打った経験があるかないかは、大きな違いになると思うので。普通のハンドガンでもものすごい衝撃で、これを人に向けると考えただけでも怖くなっちゃいましたが。
田中:劇中で使用する銃が用意されたときは、すごくテンション上がりましたよね。メンバーもみんな、そんなに格好つけるシーンなんてないのにキメ顔で自撮りしていて。「みんなまだまだガキなんだな」って思いました(笑)。今回、法務省の役人の役をしている岡田義徳さんはすごく銃に詳しくて、いろいろ解説してくれたのも面白かったです。今回はCGを多用していて実際に弾は出ないけれど、現場では監督が口で「ばばばばば!」って銃声を言ってくれて、想像しながら演技をするのも良い経験でした。
ーーロケ地も東海地方だったとか。
水野:愛知と岐阜がメインで、本当の廃墟の中に街を作って撮影しました。「絶対におばけが出る」って思うような廃学校が主な舞台で、すごく怖かったけれど、その分、映画の世界に入り込めました。そういう意味では、ロケ地に恵まれていましたね。
田中:撮影は10月だったので、昼間は日が出ていて暑いけれど、夜になると息が白むくらい寒くて、けっこう過酷な現場だったと思います。水道もないから、仮設トイレに行くのも10分くらいかかって。
ーーでも、大変な分、現場では士気が高まりそうですね。
水野:監督がすごく熱い人で、「Cカメ発動しまーす!」とか言いながら自分でカメラを回してしまう感じだったんですよ。それで、誰よりも泥だらけになって撮影していたから、自然と僕らも本気でぶつかろうという気持ちになりました。
田中:海東健さんなんか、今回テロリストという役柄だった事もあり現場に入ってきた瞬間から殺気を放っていて、「ヤバイ、本物の怖いひとがきた!」って思いましたからね。待機中も自分専用の場所を作って、そこに籠っちゃって、近寄りがたい雰囲気を出していました。でも、撮影が終わった瞬間にニコって笑ってくれて、本当は良いひとだったとわかりホッとしました。やっぱり、今回の作品はみんなで仲良く過ごすようなものではないので、海東さんはああやって現場を締めてくれていたんだと思います。そういう意味では、周りの演者さんにすごく助けられました。
水野:ヒロインの高橋メアリージュンさんの演技もすごかったです。彼女は一人二役を演じているんですけれど、僕の目の前に出てきたときは本当に別人になっていて。お芝居をぐっと引っ張ってくれました。とにかく目の演技がすごくて、深いお芝居を学ばせてもらいました。
田中:僕ららしく、とても泥臭くて“熱い”現場だったと思います。