Motörhead・レミーは最高のロックンローラーだったーー『極悪レミー』追悼上映によせて

 2015年も終わろうとしている12月29日、Motörheadのレミー・キルミスターが死去したという信じられないニュースが飛び込んで来た。12月28日に、末期癌により自宅で家族に囲まれながら死去したとのニュースだったが、未だに信じられないファンも多いだろう。「核爆発が起きてもレミーとゴキブリは死なない」と言われた、不死身のレミー・キルミスター死去のニュースで、世界中に悲しみの嵐が吹き荒れた。

 その悲しみもまだ癒えぬ2016年1月16日より、渋谷HUMAXシネマにてレミー追悼イベントとして、映画『極悪レミー』最大音量追悼上映が1週間に渡りおこなわれるというので、早速初日に行ってきた。

 この上映では、MotörheadかレミーのTシャツを着てくると、窓口でチケットが1000円になったり、上映前のロビーではレミーが愛したジャック・コーク(ジャックダニエルのコーラ割り。ちなみにレミーのジャック・コークはコーラのジャックダニエル割り)が飲み放題で振る舞われるなどの粋なはからいがあり、レミーを偲ぶファンでチケットは売り切れ、超満員の大盛況だった。

 ジャック・コークを飲みながら上映を待つ観客達は、ポスターにレミーへの想いを書き込んだり、この追悼上映を取材に来た取材陣の質問に答えたりしながら、各々レミーへの想いを馳せながら時間を過ごしている。入場が開始されると観客席はすぐに埋まり、同時にDVDも発売され、過去に上映も行なわれている映画としては異例の盛り上がりを見せる。今か今かと上映を待つ観客達のボルテージは上がって行き、拍手と歓声の中で『極悪レミー』の上映は開始された。

 上映中にも「レミー!」などの歓声があがり、通常の映画の上映では見られない雰囲気の中、爆音で上映される映画はまるでライブを見るように進んで行く。スピーカーから流れる音量は許容範囲を超え、音割れまでするほどだった。この映画への主催者側の想いが観客にリンクする。

 内容を知る観客からは要所で歓声も上がり、ライブのシーンでは自然に身体が動き、歌詞の内容と映画に映し出されるレミーの生き様が観るものの胸を突き刺す。映画館で観ることの素晴らしさがこれほどまでに体感できる作品もなかなか無いだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる