SMエンターテインメント発、EXOは“演技ドル”新時代を拓くか? 出演作の役柄から考察

新世代“演技ドル”を次々生み出すEXO

 演技ドルとは、演技をするアイドルのこと。JYJのパク・ユチョン、ZE:Aのイム・シワン、元MBLAQのイ・ジュン、2PMのジュノ、BIGBANGのT.O.Pなどがその代表格だと言われている。

 以前、「JYJのユチョン、BIGBANGのT.O.P、ZE:Aのシワン…“演技ドル”の活躍に見る韓国映画の変化」という記事を書いたが、演技ドルにも新勢力が現れつつある。東方神起の所属するSMエンターテインメントのEXOのメンバーたちである。この秋以降は、そのEXOのチャンヨルが出演する『チャンス商会』と、D.O.ことド・ギョンス(上記メイン写真)が出演する『明日へ』が日本で公開されることが決定している。

 EXOのソロでの演技活動は、2014年から始まる。スホがドラマ『総理と私』にカメオ出演したほか、7月にはD.O.がドラマ『大丈夫、愛だ』にレギュラー出演。D.O.は、最初は主人公の小説家を先生と慕う明るい小説化志望の高校生として登場するが、その後はとことんまで追い詰められながらも感情を爆発させる役を演じ切り、ファンはもちろんのこと、評論家から俳優仲間にまで、「D.O.の演技力は凄い」と認識されることとなった。

 続いてD.O.は、本名のド・ギョンス名義で2014年11月に、先述した映画『明日へ』に出演。日本でも2015年11月6日に公開される本作は、2007年に韓国で大型スーパーの従業員が店を長期間占領した実際の出来事を原案に、労働者が置かれる過酷な状況を描いている。この中でド・ギョンスは、スーパーを占拠する労働組合のリーダーを務めるソニの息子役を演じている。貧困で修学旅行に行くお金もなく、母親に黙ってバイトをする中で生まれた溝が、ド・ギョンスの経験を通して次第に埋まっていく様子が描かれている。この二作のD.O./ド・ギョンスの演技が話題となったことが、EXOの演技進出に拍車をかけたのではないだろうか。

 2015年4月にはチャンヨルが映画『チャンス商会』に出演。頑固者のおじいちゃんと引っ越してきた花屋の店主との恋を描いた感動作は現在、日本でも公開中で、おじいちゃんとおばあちゃんカップルのデートを見守る心優しき青年役をチャンヨルが演じている。

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チャンヨル

 2015年は、次々とメンバーの映画進出が続く。ベクヒョンが学園アクション『トッコ』に出演し、シウミンが映画『キム・ソンダル』で詐欺師を演じた。またスホは映画『グローリーデイ』に出演し、10月に始まる釜山国際映画祭で公開されることが決まっている。

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