橋本環奈&三浦翔平のバディはホームズ&ワトソンの関係性に? 『天久鷹央の推理カルテ』原作の魅力
作中で起こる事件は、診断が難しい稀少な症例のほか、超自然現象にしか見えない不可能犯罪が多い。例えば、病室に現れた天使、宇宙人による洗脳、透明人間の密室殺人、人体自然発火現象、自殺者が多発する廃病院、不老不死の少女……等々。無限の好奇心を持つ鷹央は、こうした魅力的な謎でなければ興味を掻き立てられないのだ。
鷹央は『久遠の檻』で、「原因不明の症状を呈する患者を診たとき、最初にすべきことは可能な限り多く、鑑別すべき疾患を頭の中でリストアップすることだ。そこから必要な検査をすることで、疾患を絞り込んでいく。そして最後に残ったものが、患者を冒している病だ」と語る。これが、「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙な事であっても、それが真実となる」というシャーロック・ホームズの言葉と似ていることは明らかだろう。医療に関する豊富な知識とホームズばりの推理を両立させた鮮やかな謎解きが、名探偵としての鷹央の真骨頂と言える。
こうした派手な事件とロジカルな解決というシリーズの魅力はアニメ版でも充分に再現されているが、実写ドラマ版ではどうなるだろうか。現時点で、天久鷹央に橋本環奈、小鳥遊優に三浦翔平、鴻ノ池舞に畑芽育、天久真鶴に佐々木希、天久大鷲に柳葉敏郎という配役が発表されており、芸達者な橋本環奈と三浦翔平がどのようにバディを演じるかが期待される。原作には多くのエピソードがあるが、1クールのドラマですべてを取り上げるわけにはいかないだろうから、どのエピソードが選ばれるかにも注目したい。