【書店ルポ】川越駅、地域密着から大型チェーンまで本好きを魅了する書店が充実

■3つの似た名前の駅が存在する川越

JRと東武が乗り入れる川越駅。

 川越は“埼玉の小京都”といわれる蔵造りの街並みで有名な、埼玉県内屈指の観光都市である。江戸時代には城下町として繁栄し、前出の蔵造りの街並みや川越城本丸御殿などの文化財が豊富に残る。その一方で、約35万人の人口を有する経済の中心でもあり、都心に直通する列車も発着することから東京のベッドタウンとしての役割も担っている。

川越駅前の商店街、クレアモールは学生から観光客まで様々な人々が行き交い、常に活気がある。

 観光客が川越を訪れる場合、似た駅名がたくさんあるので混乱することが多い。JRと東武の「川越」駅、東武の「川越市」駅、そして西武の「本川越」駅があり、いずれも重要な駅である。いわゆる蔵造りの街並みは、新宿から特急が出ている本川越駅がもっとも近い。しかし、規模としてはJRの川越駅がもっとも大きい。

 そんな川越の書店事情をリサーチしてみた。まず、JR川越駅の駅ビルのルミネには、なんと新刊書店が2店舗も入っている。「ブックファースト ルミネ川越店」と「ヴィレッジヴァンガード ルミネ川越店」だ。両店とも平日午後の訪問だったが、とにかく学生の姿が多かったのが印象的だった。調べてみると川越市内には高校がたくさんあり、学生の需要のおかげで駅に書店が2店も残っているのかもしれない。

川越駅の駅ビル、ルミネには「ブックファースト」と「ヴィレッジヴァンガード」がある。

 また、駅の西口には地元の書店「精文堂」もある。店の雰囲気は若干レトロであるが、規模が比較的大きく、1階が書店と文具店、2階がプラモデル、ミニ四駆、トレーディングカードなどを扱うかなりマニアックな店である。漫画の取り扱いも約2万5000冊と、専門店並みの在庫を持っている。カードゲームのイベントも開催されているそうで、地元の子どもや若者が集まるコミュニティの場となっているようだ。

ドン・キホーテなどが入る「川越モディ」にはアニメイトとらしんばんが入る。

関連記事