【ライトノベル最新動向】11年ぶり『灼眼のシャナ』新刊も! 11月の注目作を一挙紹介

 11月のライトノベルは、長いタイトルの作品が続々と刊行されて、取り扱う書店の人も名前を覚えられないと困りそう。スニーカー文庫から11月1日に流石ユユシタ『『君は勇者になれる』才能ない子にノリで言ったら覚醒したので、全部分かっていた感出した』が新シリーズとしてスタートし、水戸前カルヤ『地下鉄で美少女を守った俺、名乗らず去ったら全国で英雄扱いされました。3』がシリーズ完結。どちらも、タイトルがそのまま内容を表してして読む前から興味を誘ってくる。

 講談社ラノベ文庫から11月2日に刊行される日ノ出しずむ『高校全部落ちたけど、エリートJKに勉強教えてもらえるなら問題ないよね!』は、第15回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>受賞作。タイトルどおりに、高校浪人している少年に優秀な女子高生が勉強を教えることになって始まるラブコメストーリーだ。

 同じく講談社ラノベ文庫から11月2日発売のアルト『落ちこぼれ令嬢は、公爵閣下からの溺愛に気付かない ~婚約者に指名されたのは才色兼備の姉ではなく、私でした~』と、真曽木トオル『王子、婚約破棄したのはそちらなので、恐い顔でこっちにらまないでください。』は、いずれも貴族令嬢が主人公。女性の読者を引きつける方向に、レーベルが進んでいる感じがうかがえる。


 電撃文庫から11月10日発売の葉月文『さんかくのアステリズム 俺を置いて大人になった幼馴染の代わりに、隣にいるのは同い年になった妹分』は、成長が止まったまま7年が経って目覚めた主人公の少年が、成長して教師になった幼なじみと、クラスメイトになった妹分に挟まれ思い悩むといったストーリー。新しいタイプの三角関係が楽しめそうだ。

 GA文庫から11月15日発売の茨木野『有名VTuberの兄だけど、何故か俺が有名になっていた #1 妹が配信を切り忘れた』も、タイトルから想像できるストーリーが興味を誘う。配信開始前から失敗続きの兄が、どういった評価を受けて注目を集めていくのか。チャネル登録者を伸ばせない配信者に、打開の道を示してくれるかもしれない作品だ。

 斧名田マニマニ『悪喰の最強魔獣使い~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無双する~』は、小説投稿サイトの人気作で11月24日にダッシュエックス文庫から書籍化。これもタイトル通りの内容だと想像できる作品。11月25日にMF文庫Jから登場の及川輝新『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』は、人気絶頂の女子高生アイドルがお腹を空かせて倒れていたのを助けた男子高校生に起こるメシを介した関係に注目だ。

 長くないタイトルの注目作では、やはり11月10日発売の高橋弥七郎『灼眼のシャナSIV』が話題性抜群。シリーズとしては11年ぶりの最新刊で、本編が完結した後で新たな世界へと旅立ったシャナと悠二の足跡を描く「アンフィシアター」「クイディティ」や書き下ろしの新作小説を収録している。谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの短編を収録した新刊や、賀東招二『フルメタル・パニック!』シリーズのその後を描いた新刊も予定されている中、いにしえの人気ラノベ復活の先陣を切る。

 電撃文庫では、暁佳奈『初夏秋冬代行者 秋の舞』上下巻も11月10日に刊行。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズの作者が、和風の日本で四季の移り変わりを担う“代行者”を描いてきたシリーズの最新刊で、秋の代行者を巻き込む事件が起こって国を揺るがす騒動へと発展していく。上下巻で1000ページ近い重厚な物語が新たな感動を引き起こす。

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