話題のミステリー小説『#真相をお話しします』がコミックに 柔らかいタッチで描かれる予想外のどんでん返し

 原作小説では、収録作品のうち「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞<短編部門>を受賞している。「#拡散希望」の舞台は子どもが四人しかいない島だ。主人公はそのなかのひとりで、ある日、子どものうちのひとりがiPhoneを手に入れたことをきっかけに、四人でYoutuberになろうとする。ところが、ある事件を境に親しかった島の住民が子どもたちに対してよそよそしくなり、「#拡散希望」は不穏な気配をただよわせていく。

 最初に小説を読むか漫画を読むか、悩むところだろう。どちらにしても文章として読んでイメージするのと、そのイメージを一度崩して漫画として読むのでは、印象も大きく変わってくる。

 現在(2023年10月時点)、Kindleでは小説のうち「#拡散希望」を全文公開していて、コミカライズ版もコミックアプリで途中まで無料で読める。

 どの作品も、一度展開や結末を予想してから読むのがおすすめだ。自分の予想がくつがえされる快感はミステリーやホラーならではのものである。ぜひ自分が本作によって得た感覚を大切にしながら読んでみてほしい。

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