「SHIBUYA TSUTAYA」24年春にリニューアルオープン決定 渋谷のランドマーク的な書店、どう変わる?
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、このたび「SHIBUYA TSUTAYA」のリニューアルを実施すると発表した。2024年春に再開業となる。工事が始まるのは10月31日からで、すべてのフロアの改装工事を行う大規模なものとなりそうだ。早くもネットやSNSでは期待の声が多数書き込まれており、注目の高さがうかがえる。
「SHIBUYA TSUTAYA」といえば、渋谷駅前のスクランブル交差点からも見える、「QFRONT」の中核をなす存在だ。オープンは、「QFRONT」が竣工した1999年の12月のこと。渋谷のランドマーク的な書店、というより文化発信基地であり、「TSUTAYA」としても旗艦店という位置づけであった。
その後、芸能人やアイドル、声優などのサイン会やイベントなどが多数開催され、多くの来店客を集めた。ファッションの発信基地が「109」であるならば、音楽・書籍の発信基地は「SHIBUYA TSUTAYA」と言っていいだろう。しかし、サブスクの普及に伴い、「TSUTAYA」が得意とするCDやDVDのレンタル事業は衰退傾向にあり、動向が注目されていた。
今回の改装で、「SHIBUYA TSUTAYA」には500席を有するカフェとラウンジを併設するという。また、コロナ禍が落ち着いたこともあって増加傾向にあるインバウンドを意識した新施設も設置されるという。そのほかの具体的な内容は明らかになっていないものの、同店が今後も「TSUTAYA」の旗艦店であることは間違いなく、力が入った改装になりそうだ。
なお、改装工事中はビルの覆いにも特徴ある装飾が施されると発表されており、こちらも楽しみにしたい。「SHIBUYA TSUTAYA」は平成の渋谷のカルチャーを担った名店といえる。令和の時代において、どのようなエンターテイメントの新しいあり方と楽しみ方を提供してくれるのだろうか。来年春のリニューアルオープンに期待しよう。
近年、都心にある大型書店の閉店や改装が相次いでいる。今年は渋谷で書店にまつわるニュースが多く報じられており、1月31日には「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」が閉店し、読書愛好家の間で大きな騒動になった。これは東急百貨店本店の改築に伴う閉店だったが、渋谷のシンボル的な書店の閉店とあって、今後再出店されるのかどうかといった点に注目が集まっている。
再開発が進み、続々と高層ビルが立ち並ぶようになり、2030年ごろには現在見られる風景が一変すると予想される渋谷。書店の未来からも目が離せない状態になっている。