『鬼滅の刃』冨岡義勇&不死川実弥&伊黒小芭内は同い年の”21歳組”! もし現代に生まれていたら笑い合える関係になったか

※本稿は『鬼滅の刃』のネタバレを含みます。

 『鬼滅の刃』で圧倒的な存在感を示すのは、鬼殺隊で最強の柱たちだ。その中に3人、同い年の柱がいる。21歳の冨岡義勇(水柱)、不死川実弥(風柱)、伊黒小芭内(蛇柱)である。

 義勇は親友に守られて鬼殺隊の入隊試験に合格したため、「自分は柱じゃない」と思い続けて柱たちの中で孤立している。しかも感情表現が苦手なため、言葉や行動がほかの柱を嘲っているように見られることもあり、実弥や小芭内は彼を嫌っている。これは公式設定である。

 実弥と小芭内は柱の中でもかなり悲惨なかたちで鬼に人生を狂わされていて、協調性に欠ける義勇を見るといら立つのは性格だけではなく彼らの過去も関係しているだろう。

 一方、実弥と小芭内がふたりで会話するシーンは少ないが、柱の中では仲が良いそうだ。柱合会議(柱たちが集まる会議)で結託するかのように鬼の禰豆子を倒そうとしたことからも、ふたりの価値観は似通っている。

 そんな3人が、現代にいたら関係性は変わっていたのだろうか。出会いのタイミングを分けて考えてみたい。

幼なじみの場合

 保育園からいっしょで、親同士も仲が良い。この場合は関係性が大きく変わるだろう。

 外でバトル漫画ごっこをしながら遊ぶのが好きな実弥、屋内でおとなしいがほかの子の遊びに加わる小芭内、ひとりぼっちの義勇が想像できる。

 ただ実弥も小芭内も、無関心なふりをしつつ心の奥底では義勇のことを心配していそうだ。義勇は義勇で言葉を選び間違えてしまうだけで、基本的には素直な子どもなのだろう。

 幼いときからそれぞれの特徴を理解しながら成長すると、原作とは異なり実弥と小芭内は、言葉足らずな義勇の不器用さをくみ取ることができて、大親友とまではいかなくても成長後も良好な関係性を保てるはずだ。

高校のクラスメイトの場合

 ところが高校生になってから出会った場合、話は変わってくる。子どものころからの知り合いではないため、それぞれが何を思ってどう行動するのかわからなくなってくる青春期に突入するからだ。

『鬼滅の刃』では3人とも決して陽キャと呼ばれる部類ではないが、悲惨な過去さえなければ実弥は陽キャのグループでわいわいと教室で騒ぐような生徒なのではないだろうか。

 しかし義勇と小芭内は陰キャにカテゴライズされるタイプで、休み時間はいっしょにおとなしくスマホでソーシャルゲームをしたり本を読んだりしていそうだ。そのうち義勇と小芭内が仲良くなる可能性もある。

 原作を読み込んでいる人なら察しがついているかもしれない。小芭内は、どこか義勇に似ている部分がある。柱合会議で実弥は怒るとすぐに攻撃的な態度をとり、小芭内はそんな実弥に協力的ではあるが、補助的な役割にまわっている。彼も義勇と同じように、あまり目立つ場所に出たがらない性格なのだ。

 そんな共通点のある義勇と小芭内が仲良くなれるとしたら、狭く限られた空間に、ふたりきりにされたときだろう。高校の教室でふたりだけ馴染めないでいるのも、状況としては同じだ。

 高校時代が終われば会わなくなる程度の友情かもしれない。しかし原作では義勇と小芭内がふたりで仲良くしているシーンが一切なかったので、想像してみると楽しそうだ。

会社の同僚だった場合

 さて、業種や職種によって異なるかもしれないが、仕事の場合、同じ職場にいれば友好的な関係を保たなければならない。それがどんな相手でも。

 義勇、実弥、小芭内が会社に同期として入社したと仮定する。ここでは原作どおり実弥と小芭内が仲良くなる構図が見える。前述したように原作でも鬼を倒すという任務に対するふたりの価値観はほぼ同じであり、鬼を倒すことを仕事に置き換えてみると、積極的に業務をこなす実弥と小芭内はきっと仲良くなれる。

 義勇も真摯に仕事に取り組むが、コミュニケーションが苦手なため、原作と同じように実弥や小芭内にうまく気持ちが伝わらないということが起こりうる。さすがに会社なので実弥もつかみかからないし小芭内もいやみを言うことはないと思うが、内心は義勇にいら立ちを感じることも多いだろう。

 そういった意味で、会社員であれば、21歳組の関係性は原作漫画と近いものになるかもしれない。

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