新型コロナで学習参考書の売上急増へ……出版業界が楽観視できない理由とは?

「特需は来週頃から落ち着くだろうと考えています。ですが、参考書の売れる時期というのは本来これから、3月後半から4月にかけて。特需は落ち着いても、忙しい時期は続きそうです。ただ、株価がこのまま下落を続けたり円高が長引くようだと、今後の受験市場、特に中学受験には影響が出てくると思います。リーマンショックの時は、中学受験の受験者数が相当落ち込み、過去問題集や参考書ももれなく売れなくなりました。来年の受験のことを考えると、リーマンショックの時のようになる可能性はあると思います」

 今は特需により売上が増加している参考書だが、長期的に見ると楽観視はできないという。中学受験者数が増え続けていた2008年にリーマンショックが起こった。東日本大震災もあり受験者数は下がり続け、やっと上昇に転じたのは2015年のことだった。つかの間の特需を手放しで喜べる状況ではなさそうだ。

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