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ボサ・ノヴァの誕生に最も重要な役割を担った、ヴィニシウス・ヂ・モライス(1913〜1980)、アントニオ・カルロス・ジョビン(1927〜1994)、ジョアン・ジルベルト(1931〜)の3人。多くの録音作を残しているが、なかでもジョビンが作曲し、モライスが詞をつけた「イパネマの娘」は、世界でも驚異的な録音回数を誇るブラジルを代表する超ヒット曲だ。
モライスはボサ・ノヴァ草創期より多くの名曲に詞を連ね、シーンのパトロン的役割を果たした人物。またブラジルの外交官を務めながら、生涯を通じて「酒・音楽・女・旅」を愛し、自由を謳歌した洒落者である。バイーア色の強い作品も発表しているが、実はバイーアではなくリオの下町生まれ。若い頃はサンバに囲まれて育ったものの、ジャズに影響を受け結果的にボサに辿り着いた——という音楽背景をもっている。
外交官としてパリに赴任してからは、「イパネマの娘」を最後にジョビンと共作できなくなってしまったモライスだが、後にギタリストのバーデン・パウエル(1937〜2000)と組んで、『afro-sambas de baden e vinicius 』(66年)なる名盤を輩出。この頃モライスがフランシス・レイとピエール・バルーにボサを伝授し、「フレンチ・ボサ」が誕生したことは有名な話である。
時を越えてなお高感度な人々を魅きつけるボサ・ノヴァだが、その豊潤で洗練されたムードの基礎を築いたのはモライスの感性——と断言していいだろう。

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