Elmiene & Fujii Kaze、三浦大知、SUPER BEAVER、SixTONES、Juice=Juice、tuki.……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は、Elmiene & Fujii Kaze「Comets + Gold」、三浦大知「Crave」、SUPER BEAVER「アプローズ」、SixTONES「Dance Forever」、Juice=Juice「BLOODY BULLET」、tuki.「SOS」の6作品をピックアップした。(編集部)
Elmiene & Fujii Kaze「Comets + Gold」
イギリス出身、スーダン系のR&Bアーティスト・ElmieneとFujii Kaze(藤井 風)のコラボシングル。FujiiがElmieneの楽曲「Someday」(失われた“あなた”との愛を取り戻したい、と歌われるバラード)のカバーをYouTubeに投稿したことで交流が生まれ、昨年のクリスマスの時期に日本でセッションが実現。Elmieneが数年前に作っていたデモ音源をもとにFujiiがコードやメロディを加え、有機的なやり取りのなかで生まれた「Comets + Gold」は、「Someday」とのつながりも感じられるバラードナンバーに仕上がっている。優しさと慈しみが響き合う二人の声が描き出すのは、彗星と黄金というフレーズに象徴される、人間という存在の美しさと儚さ。抑制を効かせた、上質にしてオーガニックなサウンドメイクも秀逸だ。(森)
三浦大知「Crave」
トライバルな野性味とソフィスティケートされた構造美が一つになったトラックのなかで歌われるのは、「渇望する」という題名とダイレクトにつながるリリック。ここで止まる気はないし、もちろん戻る気もない。身体が欲するまま、心が動くままに動き続けるんだという意思を刻んだ新曲「Crave」は、三浦大知の音楽への向き合い方を再認識させられる楽曲だ。コンテポラリーダンスの意匠がまとまった、独創的なMVの振り付けを含め、彼のクリエイティビティは今、自身の根源に向かって進んでいるようだ。この楽曲を含む新作EP『I know I don’t know』は9月2日リリース。「私が何も知らないことを知っている」というタイトルが示唆するように、「何も掴んでいないし、何もわかっていない」という認識自体がおそらく、三浦の最大のモチベーションなのだろう。(森)
SUPER BEAVER「アプローズ」
アルバム『人生』収録曲のひとつで、アサヒ飲料「三ツ矢サイダー」2026テーマソング。さわやかな味覚、はじける泡のイメージから生まれたのか、このバンドにしては珍しいポップソングに仕上がっており、愛らしいピアノと「ラララン」のコーラスで始まるイントロを意外に思う人も多いだろう。しかし、歌が始まれば作者・柳沢亮太の本領発揮。正直者がバカを見ないためのメッセージ、人の視線よりも自分の心を大事にするためのエールがまっすぐに溢れ出す。なお、〈最大に心ときめくような〉から始まり〈拍手喝采だ〉で結ばれるサビは、文字で読むと気づかないが、耳には“サイダー”の単語がしっかり二度響くトリックになっている。上手い。(石井)
SixTONES「Dance Forever」
数カ月ぶりの配信曲。彼らほどの人気グループになるとノンタイアップ新曲が貴重になるもので、Zembnalが手がけた楽曲はSixTONESがSixTONESであることを全身で楽しむためのダンスナンバーとなった。夏に向けたアゲソングという側面もあるのだが、〈終わらないで〉〈みんなの願い込めた爆音〉などのフレーズは、これは決して永遠ではない、いつか無慈悲に奪われるかもしれないといった予感に裏打ちされたものだろう。ハイテンションな全力歌唱から始まりつつ、おしゃべりの延長のように素の表情が挿入されること、さらに祈りに似たトーンが後半に出てくることで、切実さはより強まっていく。笑って踊れるのに泣きたくなる、そんな名曲。(石井)
Juice=Juice「BLOODY BULLET」
EP『MORE! MORE! EP』収録曲。EPは話題のラテンソング「盛れ!ミ・アモーレ」から、ロック調の「結論から言ってちょうだい」「甘えんな」と強気楽曲が続くので、「BLOODY BULLET」とはどんな物騒な曲なのかと身構えたが、実際はソウル系のディスコソング。優しいばかりで気弱な恋人を〈二人きりにおける正しい/間違いかたは教わらなかったの?〉とリードしていく、艶っぽいお姉さんモードで挑む一曲だ。あくまでモードというか設定なので、本気のエロスが滲むわけではない。小悪魔風の歌詞や歌唱と、そこに隠しようのない若さや愛らしさが滲むアンバランス感がJuice=Juiceの楽しみ方だろう。サビ終わりに来る〈Ah!〉はあざとキュートの骨頂。(石井)
tuki.「SOS」
今年2月に日本武道館で行われた初ライブ『NIPPON BUDOKAN 〜承認欲求爆発〜』で初披露された「SOS」は、鋭利なギターサウンド、焦りや衝動を内包した歌声を両軸にしたロック系アッパーチューン。疾走感に貫かれたビートと性急なメロディが響き合い、〈愛だけ欲しいくせに/なにしてんだろう〉というフレーズに生々しい説得力を与えている。歌詞の背景にあるのは、SNSの浸透により増大した承認欲求と「足りないものは愛なんだ」という切実な思い。現在を生きるすべての人が無関係ではいられない歌であると同時に、より直接的なコミュニケーションを求め始めているtuki.の現在地がダイレクトに伝わってくる楽曲だと思う。(森)



























