崎山蒼志×原口沙輔 同世代対談 尽きない好奇心と互いへのリスペクト 惹かれ合う才能が結実した共作を語る

「ending routine feat. 原口沙輔」の制作で感じた“2人で作ることの醍醐味”
ーー「ending routine feat. 原口沙輔」はどんなスタイルで制作されたんですか?
崎山:2人でスタジオに行って、0から作りました。沙輔くんはラップトップと鍵盤、僕はギターを持って行って、いつもの如く、最近聴いてる音楽とかの話をして。あとはさっき話した坂本龍一さんのラジオのこととか。
原口:しばらく話して、「じゃあ、やりますか」と。イントロのギターを崎山くんがなんとなく弾いてたんですよ。
崎山:そうだった気がする。
原口:スタジオに録音用のマイクが用意されてなくて、iPhoneのボイスメモで録ってみましょうかということになって。
崎山:2カ所にスマホを置いて録りました。
原口:ギターの音源をとりあえず倍速して。
崎山:沙輔くんがキックやリズムパターンを作ってくれて。
ーーまさにセッションですね。
原口:そうですね。去年の8月くらいに作ったんですけど、ちょうどお互い忙しく、タイミングが合うのがその日しかなくて。
崎山:確かにセッション度は高いですね。
原口:リズムを作った後も、お互い音を出しながら「これはどう?」みたいな感じでした。
崎山:DAWの操作がめちゃくちゃ速いんですよ、沙輔さん。集中して操作しているときのオーラもすごくて、そういう感動もありました。
ーー沙輔さんのDAW歴は5歳からですからね。
原口:もう17年くらいやってます(笑)。セッションみたいなやり方はあまりやったことがなかったし、楽しかったですね。コンビニに買い出しに行って、ご飯食べて。夜中までやってましたけどね。後日やったのはミックスくらいかな。崎山さんが歌を録り直して、それに合わせて僕も撮って。歌詞もその場で書いて、ほとんど変えてないです。
崎山:それも楽しかった(笑)。

——〈逃げ出してみたいよ/このルーティン、このルーティンから〉というフレーズも印象的でした。歌詞のテーマも共有していたんですか?
崎山:そうだと思います。僕の記憶が間違ってなければ、ちょうどその頃、YMOの「Perspective」をずっと聴いてたんですよ。〈Every day〉というフレーズが続くんですけど、こういう歌詞を書いてみたいなと思ったのが最初のインスピレーションだったのかなと。繰り返しの日常のなかに尊さを感じるというのかな。“人々が別れてゆくのを見ている”みたいな歌詞もあるんですけど、そういう切なさだったり、喪失感の予兆みたいなものもいいなと。……僕が書いた歌詞は〈抜け出してみたいよ〉なんだけど。
原口:確かに。
崎山:そのときも気分もあるだろうし、いつも持ってる気持ちでもあるのかなと。本当にその場で書いた歌詞だし、即興性が高いからこそ、そのときの自分が出ているのかもしれないです。
原口:サビの歌詞もスルッと出てきた印象でした。
崎山:フリースタイル。沙輔くんの歌詞も素晴らしいんですよ。〈気分という思想を/幾つも持っている〉という2行もそうですけど、すごく哲学的だし、楽曲がまた違うところに向かう感じもあって。メタ視線が加わったというか。
原口:2人で作ることの醍醐味ですね。本当にこの通りの順番で書いていったんですよ。まず崎山くんが最初のパートを書いて、オケを作って、「じゃあ、次は僕が書きますか」みたいなノリで。会話してるみたいな感じでした。“ルーティン”がテーマになってるし、無常感みたいなものもあって、それは僕にとってどういうことだろう? と思いながら書いてましたね。で、サビはどうなるんだろう? と思ったら「あ、逃げだした」って。
崎山:逃げました(笑)。
原口:それを受けて「だったら今を肯定しようかな」と思って。
ーー沙輔さんの〈見る限り生命を/居る限り続ける〉というラインにつながった、と。2人の作詞に対するアプローチが感じられるのも興味深かったです。
原口:崎山くんは“詩の人”という感じもあって。僕にとっての歌詞は楽器の一つでもあり、場合によれば楽器が担当できないところを担うものでもあって。人に提供することもあって、誰かに憑依して書くこともありますが、結局は自分のことになるなという感じもあります。
崎山:僕はかなり自分のことを歌いまくってるかも。特に今回のアルバム『good life, good people』は抽象度が低めで、具体的な言葉が多くて。それも気分だと思います。
原口:今回のアルバム、個人的にもかなり好きですね。僕の歌詞も入っているので不思議な感じもありますけど、人のノートを勝手に見ている感覚があって。このアルバムに限らず、崎山君の新譜が出ると「こんなことを考えているんだ」みたいな感じで聴くんですが、今回は満足度が高かった。
崎山:アルバムを聴いてくれた友人にも「そう、こんな感じだったよね」って言われます。
原口:日記的、ブログ的。
崎山:ブログ的! いいな。自分でも「このアルバムはブログ的です」って言っちゃいそう。
——最後に、お二人の今後のビジョンについて聞かせてもらえますか?
崎山:まだわからないところもあるんですけど、「この人、何をするかわからない」というのが理想かもしれないです。ポップスに近接するのもいいし、ソングっぽいものもやってみたいし。
原口:良さそうですね。
崎山:バラードをやったかと思えば、いきなりロックバンドを組んで、ライブ一回やって即解散とか(笑)。そういう感じでやれたらいいなと思っています。
原口:僕は、音楽のなかで安寧を願っていきたいです。音楽で喜びを表していきたい。
ーー世界があまりにも酷いから?
原口:世界の酷さはいったん置いておいて、もっと近くのことですね。周りにも大変そうな人がけっこういるし、日常的にこまごま祝っていきたいというか。
崎山:こまごま祝うっていいな。合宿もやりたいですね。沙輔くんが景色のいいところで作業したという話を聞いたんですよ。
原口:去年、海が見えるホテルの一室に集まって、仕事を終わらせようってことになって。その日がすごくいい一日だったんですよ。
崎山:いいですよね。ボーッと海を眺めるタームを挟みつつ。
原口:それだけで終わってもいいしね。
ーー6月12日に東京・Spotify O-EASTで『good life, good people』のレコ発ライブが開催されます。Mega Shinnosukeさん、紫 今さん、諭吉佳作/menさん、そして沙輔さんも出演するスペシャルライブですね。
崎山:アルバムの収録曲はできるだけ同じようなテンション、音像で演奏したいですね。あとは沙輔くんの曲も一緒にやれたらいいなと思っていて。
原口:どの曲がいいんだろう……。演奏するのが難しい曲が多いので、ライブがけっこう大変なんですよ。ステージに立つのは好きなんですけどね。崎山くんと一緒にやれるのもすごく楽しみです。

■リリース情報
崎山蒼志 ニューアルバム『good life, good people』
2026年4月15日(水)リリース
Pre-Add/Pre-save:https://sakiyamasoushi.lnk.to/glgp_PAPS


<初回生産限定盤>
(CD+Blu-ray) SRCL-13617~13618 ¥8,500(税込)
CD:全11曲
01 悪魔
02 人生ゲーム album remix (prod. 原口沙輔)
03 ending routine feat. 原口沙輔
04 ダイアリー
05 eden feat. かもめ児童合唱団
06 ghost feat. 諭吉佳作/men
07 eden inter
08 SOS
09 買ったばかりのものは
10 泡沫
11 人生ゲーム
Blu-ray:崎山蒼志“独演二十二歳・二十二唱”(2024年8月31日@東京・品川インターシティーホール)
歌詞ブックレット
崎山蒼志書下ろしエッセイZINE
<通常盤>
(CD) SRCL-13619 ¥3,300(税込)
CD:※初回限定盤同様

■公演情報
『good life, good people』
【日時】
2026年6月12日(金) 開場 18:00/開演 19:00
【会場】
Spotify O-EAST(〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-14-8 2F)
【出演】
崎山蒼志
<スペシャルゲスト>
Mega Shinnosuke/紫 今/原口沙輔/諭吉佳作/men
<バンド>
冨樫マコト(Ba.)/高橋直希(Dr.)
【チケット】
指定席 7,200円
スタンディング 5,800円
※別途ドリンク代600円
※お一人様4枚まで
※小学生以上チケット必要 / 未就学児入場不可
■関連リンク
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