藤井 風、YOASOBI、Vaundy、あいみょん……“CMソング”として輝きを増す過去の楽曲たち
過去にリリースされた楽曲が、最新CMへの起用によって再び注目を集めることがある。楽曲のメッセージとCMのストーリーが共鳴することで、新たな魅力を帯びることも少なくない。
直近では、藤井 風の「満ちてゆく」を起用した株式会社JERAのCM「灯そう。みんなで。」が3月25日より放送されている。同社は2050年までに再生可能エネルギーとゼロエミッション火力を組み合わせることで脱炭素を実現する「JERAゼロエミッション2050」を掲げており、CMもその想いを伝える内容だ。音楽と人生を通じて世界に愛と自由を広めている藤井の姿が、「多くの人たちと力を合わせることで、より良い明日を未来へと繋いでいきたい」というJERAの想いと重なったことで、今回のCM起用に至ったという。
2024年に発表された「満ちてゆく」は、もともとは映画『四月になれば彼女は』の主題歌として書き下ろされたナンバーだ。今回のCMでは、街の灯りが消えていく映像とともに届けられる「灯そう。みんなで。」のメッセージと、静かな祈りのようなあたたかさを持つ「満ちてゆく」が美しく重なり合う。〈明けてゆく空も暮れてゆく空も/僕らは超えてゆく〉のフレーズも未来へ向かうことを想像させ、明日を照らす希望の光のように響いている。
3月24日に公開されたカンロ「ピュレグミ」の新CMには、YOASOBIの「あの夢をなぞって」が起用された。CMのテーマは“トキメキの解放”。「咲け、ときめく私。」というキーメッセージのもと、新生活を迎える季節に自分らしく前に進む勇気を与えるようなストーリーが描かれている。フィッティングルームから外の世界へと飛び出した伊藤万理華が、心の解放を表現するように青空の下で軽やかに踊る姿が印象的だ。
2020年にリリースされた「あの夢をなぞって」は、予知夢をきっかけに揺れ動く2人の恋心を描いた小説『夢の雫と星の花』を原作としている。〈夜を抜けて夢の先へ〉という歌詞は、原作を踏まえると眠るときに見る夢が現実になることを想像させるが、今回のCMでは、自分の理想に向かって新しい環境へ踏み出す瞬間とも重なる。恋の物語として生まれた楽曲が、CMでは人生の一歩を後押しする応援歌として新たな輝きを放っているのだ。
Vaundyの「Tokimeki」は、昨年3月にアサヒビール「ドライクリスタル」のCMソングとして起用された。「Tokimeki」は2021年にリリースされた楽曲で、当初はトヨタ「カローラ クロス」のCMソングとして書き下ろされたもの。ほかにも、2023年にはNTTドコモのWebムービー「『青春ビンゴ』Vaundy×ドコモ青春割祝卒業ムービー」にも使用されるなど、日常の“ときめき”を描いたポップな世界観がさまざまな映像との相性の良さを見せてきた。NTTドコモの映像では青春のきらめきを想起させた一方、アサヒビールのCMではオフの時間に味わうビールと掛け合わさることで日々の小さな楽しみや喜びが表現され、大人の日常に寄り添う楽曲として受け取ることができる。
あいみょんの「空の青さを知る人よ」も、昨年10月に公開されたクラシエ「ディアボーテ HIMAWARI Bloom d'Or」のCMに起用された。2019年にリリースされた同曲は、もともとは同名アニメ映画の主題歌として書き下ろされたナンバー。どこか切なさを帯びながらも、前を向く強さを感じさせる楽曲だ。CMは「ヒマワリみたいな人。」というコピーで、髪が整うことで気持ちも整い毎日を楽しめるというメッセージと、楽曲の凛とした空気感がマッチしている。作品に寄り添った映画主題歌から、今度は普遍的なエールソングとしてCMを彩っているのだ。
過去にリリースされた楽曲も、異なる映像と結びつくことで新たな意味合いを感じさせる。その変化も楽しみながら、あらためて楽曲を味わっていきたい。

























